歌王子
□第1小節
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お昼休みの始まりのチャイムが鳴っている最中、私は猛ダッシュでAクラスに向かっている。なぜかというと、Aクラスにいるマイエンジェルであるハルちゃんと友千香に今日起きた最悪な出来事をグチるためである。本当に絶望した。胃が痛いんだが…。ってかムリムリ、絶対に無理だー!!
友「で?何があったわけ?」
春「大丈夫ですか?ユウちゃん。」
聞いてくれよー聞いてくれよー。今日の授業でパートナー決めがあったんだけどさー、お部屋同様になんか1人余っちゃってオイラ1人でやることになっちゃったんだ!!おかしいよねーおかしいよねー?もうやってく自信をなくしたぜ…。
??「あら!でも龍也だってユウちゃんだから1人で課題をやるように言ったんじゃないかしら?」
『はっ!!その声は林檎ちゃん!!って、ここでは先生だった。すみません馴れ馴れしく。』
林「いいのよいいのよ!好きなように呼んで!!それから、龍也は生徒たちに無理な課題は押し付けないわよ?龍也はユウちゃんに期待しているのよ!」
そーかー?むしろ初HRそうそう話聞かないで怒らせたことにまだご立腹で、よしアイツ1人にやらせよう的なあれじゃないのか?(勝手に妄想中。龍也さんはそんな人ではありません)まあ、でも決まってしまったんだから意地でもやり遂げましょう!!リンちゃん(早速好きなように呼ぶ)も応援してくれてるしな!!(良いように解釈)
??「君って凄いんだね!先生に期待されてるなんて!」
『え、どちら様?』
音「あぁ、ごめんごめん。俺は一十木音也!よろしく!!」
友「この前言った一ノ瀬トキヤのルームメイトよ。」
お前か!!ちょっ、大丈夫かよトキヤ。彼といま会ったばっかりだけど第一印象からしてうるさいっつーか明るすぎっつーか、とにかくトキヤが苦手とするタイプだろ。いったい部屋でどんな話してんだよ。ってか一方通行でしょ絶対!私の予想だけど彼がしつこくトキヤートキヤーって言ってる気がするぞ。
『どーも、芹沢侑李です。あの、なんか…いとこがお世話になってます?』
音「お世話なんてしてないよ!むしろお世話してもらってる感じかな?」
ですよね、そんな感じしました。一応言わないといけないと思って言っただけで本心じゃありません。残念ながらどう考えてもお世話するタイプに見えねーもん。
音「トキヤってば全然侑李のこと教えてくれないから、今日会えてすげー嬉しい!!」
春「なんで教えてくれなかったんでしょう?」
友「侑李のことが大事で仕方がないとか?」
林「いやー!愛されてるわねー!!」
『それはないな。きっと普段私がトキヤをイライラさせてるから(自覚あり)、私の話をすると思い出して腹立つんじゃね?まあ仲良くしてぶふぉ!!』
音「侑李!!大丈夫!?」
痛ぇー!!なに?私の体になにが起きたの!?右から衝撃を受けたと思ったら体が千切れそうな痛みが襲ってきましたけど!!痛い痛い!ちょっ、マジでなんなんだよ!オトくん(なんかこの呼び方気に入った)ヘルプ!!
??「おい四ノ宮、相手が困っているだろう。早く離してやれ。」
林「あらあらー、なっちゃんってば大胆ねー!」
いやいや、いーから早くこのデカいの取ってくれ!困ってるどころか意識飛びそうなんだぞこっちは!早く!!あの…ほ、ほん…っと…に…やば…い……かも。
那「あ、すみませーん。あまりにも可愛すぎて。なんだかデイジーに似ているようなー、キャサリンに似ているようなー。」
『私ちゃんと生きてる!?ってかデイジーとキャサリンて誰?んでもって君たちどちら様?』
真「俺は聖川真斗だ。先程は四ノ宮がすまなかった。」
那「僕は四ノ宮那月ですー。デイジーとキャサリンは知り合いの方が飼っているワンちゃんとウサちゃんの名前ですよ!!」
え、私がそのワンちゃんかウサちゃんに似ているってか?おいおいなっちゃん(リンちゃんに便乗)、その眼鏡は他人を動物化、または美化するフィルターでも付いてんのか?便利だなその眼鏡私にも是非ください。
『芹沢侑李です、よろしくどーぞ。』
真「芹沢侑李…、じゃあ一ノ瀬のいとこというのはお前のことか?」
那「そうですねー、名前が同じですねー。」
『なぜにいとこ話が広まってんだ!』
那「ユウちゃんのことは音也くんから聞いていましたが、翔ちゃんからも聞いていたんですよー!!」
真「俺も詳しくではないが神宮寺から面白い奴だとだけ聞いたことがある。」
『え、知り合いなのかい?』
那「翔ちゃんとはルームメイトなんです!幼なじみでもありますけどね!!」
真「あいつとはただのルームメイトだ。」
なんだよ!!みんなルームメイトいるのかよ!私だけぼっちじゃねーか!っていうかマサさん(呼び方即決定)がレンレンさんの話するとき不機嫌な顔になりました!なになに?仲良くないんか?ルームメイトなのに。
『マサさんとレンレンさんはあんまり仲良くないんですか?』
真「芹沢は神宮寺のことをそんな風に呼んでいるのか!?」
なんでそんな信じられない!!って顔してるんですか?なんか変なこと言ったか?確かに私以外のクラスの誰かがレンレンさんって呼んでるのは聞いたことないけどさ!でもナシではないよね?ね?アリでしょう?レンレンさん呼びアリだよね?
那「翔ちゃんはいいなー。毎日教室でユウちゃんに会えるんですから。」
音「そうだよなー。トキヤなんて小さいときから侑李と会ってるんだろ?いいなー。」
林「龍也も毎朝HRでユウちゃんの顔を見ているってことよねー。羨ましいわ!!」
真「芹沢がAクラスだったら、七海と渋谷ともたくさん話せただろうにな。」
友「残念でしたー。私たち部屋が隣同士だから侑李が私たちの部屋に来て3人部屋みたいな使い方してるから毎日会ってんのよ!」
春「はい!ユウちゃんの寝顔はとっても可愛いですよ!!」
ハ、ハルちゃんー!?寝顔見られてたんか…ってそうでなくて、私なんかより絶対ハルちゃんの寝顔の方が可愛すぎるマジ天使。そこにいるだけでもあぁ、天使やーって思うんだから寝顔はヤバいぞ!!ニヤニヤしながら見てていつも友千香に顔の注意されるもの。あんた顔が放送禁止になってるって。
音「え!?そうなの?じゃあ毎日うちのクラスに遊びに来てよ!」
那「そうですね!そうすれば僕たちもユウちゃんとたーくさんお話できますね!!」
真「さすがに毎日は大変だろう。2日に1回の方が良いんじゃないか?」
林「えー!?そしたら私毎回休み時間教室にいないといつユウちゃんが来るかわからないじゃない!!」
いやいや、まず毎日なんて行きませんから!2日に1回も無理です!!っつーかマサさん、毎日も2日に1回もそんなに変わらないからな!!人の2倍の量の課題やらんといけないのに遊びになんか行けねーよ!みんながこっち来ればいいじゃん。あ、でもリンちゃんには毎日私が職員室まで会いに行くからね!!この後、みんなを納得させるまでに昼休みの3/4も使ってしまった。お昼ご飯は詰め込む勢いで済ませました。なんだか気分が悪いです。