歌王子

□第1小節
2ページ/16ページ

寂しいよー寂しいよー。なんで2人部屋なのにこの部屋には私と私の荷物しかないんだ?1人で使うには広すぎるだろ!って言いたいんじゃなくて、お友達を作るチャンスを逃したと大きな声で叫びたい!!知ってるよ?女の子の数が奇数で余ったのが私なんだろ!!知ってるけどさ!まだお友達は翔ちゃん(ちゃん付けすんじゃねーよ気持ち悪いって言われるけどあえて無視)とレンレンさん(神宮寺さんって呼んだら名前で呼んでと言われたので可愛くしてみた)しかいないぞ…。トキヤはいとこだしな。あー、女の子のお友達が欲しい!飛びっきり可愛くて見ているだけで癒されそうな女の子のお友達が欲しい!!


??「ちょっとあんた!!声がデカくて隣まで聞こえてるわよ!」

『まじですか!?すみまs』


部屋のドアを開けたら綺麗な赤髪美少女さんがいました。どうしよう、お友達になりたい。けどなんて話しかければいいんだ?いま怒られてる最中なのにお友達になって下さいって言うのはさすがにおかしいよな。はぁ?あんたバカ?って言われるかもしれない。タイミングがわからないぞ!!


??「ねぇ、聞いてる?」

『あ、すみませんすみませんっ。いまちょうど飛びっきり可愛くて見ているだけで癒されそうな女の子のお友達が欲しい!!って思ってたっていうか声に出してたんで、目の前にいる美少女さんとぜひお友達になりたいなーって考えてました。』

??「はぁ?美少女さんって私?」

『そりゃもちろん。』

??「甘いわね!いまから超絶美少女を紹介してあげる。付いて来て!」


え、なに?いまいちよくわからないんだが。状況はわからないが赤髪美少女さんといま私は手をつないでいる、やっほい。とにかく、いまから超絶美少女さんに会いに行くんだよな?赤髪美少女さんが超絶美少女って言うんだからめっさ美少女なんだろーなーって隣の部屋かいっ!!てことは、赤髪美少女さんと超絶美少女さんは同室なのか!?ルームメイトなのか!?いいなルームメイトって響き。私も使いたい。誰もいないけど。


??「お帰りなさいトモちゃん。」

友「ただいま春歌。この子隣の部屋の………あれ?名前なんだっけ?」

『あ、申し遅れました。わたくし芹沢侑李と申します。先ほどはすみませんでした。なんか声聞こえてたみたいで…。』

春「いえいえっ!そんなっ。内容まで聞こえてきませんでしたし、気になる音量ではありませんでしたからっ!!」


でも聞こえてたんですよね、すみませんホント。もう独り言は言わないように心がけます。っつーか春歌ちゃん(勝手に呼んでる)マジ天使ー!!なんですかこの可愛い生き物は。同じ人間ですか?同じ女の子なんですか?やばいよこれ。隣の部屋が羨ましすぎて毎日1人で寂しさと戦わないといけないのか…。ウサギじゃなくても死ぬぞ!!


友「じゃあいつでも遊びに来ればいいじゃない。」

『あれ?』

友「声に出てたわよ。」

春「ふふっ。では改めまして、七海春歌です。よろしくお願いします。」

友「渋谷友千香、よろしく!!」


やっったー!!美少女さん2人とお友達になっちゃったぞ!!ちなみに2人ともAクラスなんだってさ。担任はなんと林檎ちゃん!いーなーっいーなーってだだこねてたらトモちゃんが休み時間に遊びにおいでって言ってくれた!すぐ行くすぐ行く!チャイムが鳴ったと同時にダッシュで……ん?


『あのー、そちらに貼ってあるポスターはどちら様の?』

春「あっ、あれはHAYATO様のポスターです。」

『HAYATO様?』

春「知りませんか?」

『いや、知ってるけど…。』


知ってるも何もいとこだし、トキヤだし。まあHAYATOみてるとニヤニヤしちゃうよな。トキヤ頑張ってんなーって。本人はHAYATOを嫌ってるみたいだけど、結局はHAYATOもトキヤの一部なんだからそんなに否定しなくてもいいと私は思うわけだよ。最終的に決めるのはトキヤだが。複雑だなあ。


友「春歌、HAYATOのファンなんだって。毎朝テレビの前で待ってんのよ。」

『おはやっほーニュース?』

春「はい!そうです!!朝はHAYATO様を拝まないと始まりません!!」

友「そういえば侑李って一ノ瀬トキヤといとこなの?」

『うん、そうだね。ってなぜに知ってんの?』

友「同じクラスに一ノ瀬トキヤのルームメイトがいるのよ。で、そいつが"トキヤには侑李って名前のいとこがいるんだけど、その子も早乙女学園に通ってるんだ!!なんかすごいよな!!"って言ってたわけ。」


誰だよトキヤのルームメイト私知らねーよ。つか何が凄いんだ?2人そろって早乙女学園に入学して凄いっすねーってか?いやいや、お互いにお互いが早乙女学園を受験していたなんて全く知りませんでしたから!!教室で衝撃の事実を知りましたから!!つまりは偶然です!!あ、だからすげーのか。


友「じゃあ一ノ瀬トキヤの双子の兄であるHAYATOともいとこってことよね?」

『ん?…うん、そ…そうだね。』


ちょっとどういう設定ですかトキヤさん!双子ってなに?え、双子?あんたいつから双子の兄弟できたんだよ!私一回も会ってねーぞ!後で詳しく話を聞かせてもらいます!じゃないと矛盾が生まれますよ!早くこの話題から反らさなければ余計なこと言っちゃいそうだ。何の話しよう。えーっと、えーっと…。


??「にゃー。」

『ん?ぬこ様の声が!うおー!!きれーにゃ黒猫さんじゃにゃいか!!おいでー。』

春「あ、クップル!」


クップル?ハルちゃん(本人から了承済み)なぜそんな名前にしたんだ!絶対周りの人はクップルという単語がぬこ様の名前だってわかんないぞ!?でもクップルさんのおかげで話が変わりそうな流れなので、そのままクップルさんの話に移ります。


『綺麗にゃぬこ様だにゃー。美人さんだにゃー。ほら、おいでおいでー。なでなでしてあげますにゃ!!』

友「なにそれ、キャラ変わり過ぎなんですけど。」

『わかっていない。友千香(呼び捨てしあう仲に昇格!!)は全然わかっていないな!!』


と言うわけで、私のぬこ様に対するあつーい想いを友千香とハルちゃんにお話する事になった(勝手に話し始めた)。ぬこ様はそれはそれはもう、言葉で説明しようとすること事態が間違いにゃほどに素晴らしき生き物にゃのだ!!いつまでも触っていたいあのぷにぷにとした肉球と流れるように艶やかにゃ毛並み!それに加えてくりっくりで大きにゃおめめ!もふもふしたくにゃるだろう!!興奮するだろう!!とにかく、ぬこ様の話になると私がこうなってしまうということは覚えておいてもらいたい。以上!!


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ