短編集
□花見酒、再びその後
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「なに、どしたの総司?」
副長室を望む部屋で、あぐらをかいて爪を切る原田に、通りすがりの永倉が、副長室の只ならぬ気配を察して尋ねた。
「おぅ!新八っつぁん。何でも昨日、酔っ払って道端で“御開帳〜!”ってやらかしたんだと。歳さんカンカン」
ウシシっ!と声は押さえて肩を震わせて言った。大声など出そうものなら確実にとばっちりが来る。
「へぇ〜、左之なら分かるけど総司が?珍しい!」
「一言多いんだよ、一言」
ハハハと笑って永倉も腰を下ろした。
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