愛は不確かで

□記憶の中の君
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「しょーくんッ」

いくら泣き叫んでも、
しょーくんは止まってなんかくれなくて


「行っちゃ嫌だよお…っ!!」

必死に背中にしがみ付けば、
やっと振り向いてくれたしょーくん


「ごめんな、潤」

眉毛を下げて言うしょーくんに
やっぱり行っちゃうんだ、と
実感して 涙は止まる術を知らない




しょーくんが、東京の学校に行く
というのを聞いたのが二ヶ月前

そのために、家を出て
寮に住むと聞いたのが二週間程前

俺としょーくんが、
特別な関係になったのが一年前


しょーくんは、ずっと俺に黙ってたんだ

それはほんとに突然、言われた

「潤とは一緒にいられないんだ」


なに言ってるのか、理解できなかった




「な、んで」

ずっと黙ってたの?

なにを言っても、
ごめん。の一言しか
口にしないしょーくん

このときのしょーくんは18才
俺は14才

まだ中学生だった俺は
しょーくんに裏切られた。という
気持ちが強くて

一週間くらい、
しょーくんを避け続けた



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