長編 巫女と死神

□巫女と死神【06】
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「そう…そして、魂を清める事が出来る。

つまり其れは、後々役に立つんだよ。

例えば…そうだな、
平和、のきっかけを作ることも。」






紅茶をゆっくりと飲み、私をじっと見る。





「それに、僕は探していたんだ。

君のような存在を。

だから井戸の中に僕が作り出したホロウを入れ、
時空を超え、君を呼び出した。

矢を打ち込んでも、斬っても死ななかったのは、浄化しないと死なないようにしたから。

もし君にその力が無かったのならば、死ぬことになっていただろうが…


まァそれは良い。


…つまり君は生まれた時からずっと、これだけの為に生きてきたんだ。


…僕の部下になる為だけに、ね…。

だから、人の感情も要らないんだよ。…慕う心が、我が身を堕とす。」






話はそこまで、



そういってヨン様が立ち上がった



私は後ずさり、玉を握りしめた。






『…ッじゃあ、…この玉は?』
「…それは残念だが知らないね。」




カッ


『「??!!」』



次の瞬間、玉が光りだし、割れた。





それと同時に、現れた刀。






「…なるほど…斬魄刀、か。
やはり君には力があるようだ。」

『…』




私は吃驚してそのまま黙りこんだ。





刀……人を、殺す道具?



殺めて……何をする?





コワイ

ナンデワタシガ?

イヤダ。血ハ、嫌イ。





現れた刀に、動揺してしまった私に、ヨン様が言った。


「君は使命を果たさなければならない。」





ガガガガガ…






「健闘を祈るよ。」





空間がさけ、私はその中に押し込まれた。



ガガガッッ



ダンッ





『…っ』





周りが明るくなった。



『きゃっ!』



そう思ったと同時に、私再度背中を押され、床に倒れこんだ。







――
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