花疲れ すやすやと安らかに眠る後藤さんを膝に乗せて、私は動けないでいた。 中天を過ぎた太陽はまだ暖かいけれど、いずれ傾き始めるだろう。 先ほどそら達が探しに来ていたのを見送っている…これ以上帰らないでいれば本格的な捜索隊が出されかねない。 ―――とりあえず…桂木さんに連絡しておこう。 後藤さんに触れないよう、そっと携帯を取り出してメールを打ち始める。 ―――えーっと…なんて説明しよう。 『お手洗いに行ったら、具合を悪くされた後藤さんに行き会ったので、側についてます。もうちょっと戻るの遅くなります』 ―――うーん…まぁ、嘘ではないよね?具合悪くなっちゃったのは私のせいだけど…送信、と。 メールのイラストが飛んで行き、送信完了の文字を確認して私は携帯を閉じた。 |