your odour チャリっと音を立てて揺れる鍵には、お揃いで作ったビーズのキーホルダー。 その鍵を鍵穴にに差し込み、回す。 ガチリ 低く金属音が響き、施錠が解除された。 私は、重厚なダークグレーの扉をそっと開ける。 「おじゃましまーす・・・」 部屋に誰もいないと分かっていても、つい一言断って入ってしまう。 主のいない部屋はガランとして、寒々しいまでに広い。 様々な家電が整然と並び、冷蔵庫やDYDレコーダーなど常時電源の入っているものからはブーンという機械音が聞こえる。 荷物を置くと、ひとまずリビングのカーテンと窓を開け、閉め切られていた空間に外気を取り入れた。 |