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□SP☆戦隊 ゴエイジャー 第27話『逆にそれもアリかと…』
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SP☆戦隊 ゴエイジャー 第27話『逆にそれもアリかと…』
「キーーッ!!悔しい!悔しいわーーっ!!」
ゴージャス軍団のトップ、マリコがハンカチを引き千切りながら悔しがっていた。
「毎度毎度負けて悔しいーー!!」
地団太を踏んでいるつもりだが、地震になっていた。
「お、落ち着いてよマリコ!」
「マリコ様とお呼びっ!!」
「…はい、マリコ様」
メガネっ娘アイドルという副業をしているが、実はここの幹部のくぅがマリコの迫力に負けて言い直した。
「イケメン5人の団結力とあの腕っ節で負けてるのよ!ついでに顔で!!」
「顔、関係あるの?」
「あるわよ。ブサイクは悪、イケメンは正義と決まってるでしょ?」
「まあ…確かにそうだけど」
他にもあるような気がしたが、くぅはあえて言わなかった。言ったらまた地震が起きそうな気がしたので。
「イケメンじゃなきゃいいのよ!男じゃなきゃ!!…え?」
自分で言っておきながら、疑問の声を上げるマリコ。
「男じゃなきゃ…?…それよ!!」
「え?」
「シャドーマン1号2号!!」
くぅがキョトンとしていると、同じ姿、同じ身長、同じ…じゃない髭を生やしたトランプマンもどきが2人現れた。
「あのな、俺が兄だっての。シャドーマン兄と呼べ」
「俺は弟。シャドーマン弟」
「面倒なのよ、いちいち!1号2号で十分よ!」
呼び名を抗議したが、ボスには聞き入れられなかった。
「アンタたち!今すぐ性転換の薬を作りなさい」
「ええっ!ボス、とうとう男に戻るんですか!?」
「違うわよ!いいからさっさと作りなさーい!!」
「アラホラサッサー!!」
某アニメのセリフをパクって兄弟は開発に取り掛かった。
「あっちい〜」
グダグダになっているのは、そらだ。
「暑いっすね…」
団扇を扇いでいるのは海司だ。
「お前はいいよな〜。グリーンだから上半身脱いでても怒られないし。俺、怒られたからな」
「イメージは大事にしろ、でしたっけ?大変ですね、イエローは」
「ピンクもだけどな」
「女の子だから、せめてキャミにしとけと総理がやんわりと怒ってましたもんね」
「そう。目が全然笑ってなかった。てか瑞貴、お前Tシャツで暑くないのか!?」
2人の話題になっているピンクこと瑞貴は、平気な顔をしてかき氷を食べていた。
「大丈夫ですよ?2人が暑がってるだけですよ。まだ28度じゃないですか」
「俺は25度を超えるとダメなんだよ!」
そらが暴れていると、桂木がやってきた。
「何を騒いでいるんだ」
「あ、班長〜!エアコン、もっと下げて下さいよー!俺、死んじゃう〜!」
「エコ対策でエアコンの温度は28度だ。暑いなら氷風呂に入れ」
「…水風呂じゃなくて、氷なんすか?」
そらがボソリとツッコんだ。
「ん?はい、桂木です。…はい、わかりました」
桂木のインカムに連絡が入り、淡々と答えていたが
「総理から呼ばれた。お前たち、ここで待機していろ」
慌ただしく出て行った。そこへ、入れ替わるように昴が来た。
「何だ、この部屋。暑すぎる」
「海司がいるからじゃないっすか?」
「何で俺のせいになるんですか、そらさん」
「人数が多いからですよね?」
「瑞貴の言う通りだ。ったく、温度下げろよ」
昴はリモコンを掴むと23度まで下げた。
「あー、やっと涼しく」
そらが言いかけた時、緊急連絡が入った。
『マリコが現れた。至急向かってくれ。それと、桂木君は少し遅れるから一柳君、君が命令を下してほしい』
「総理、了解しました!行くぞ!海司、裸で出るんじゃない!服を着れ服を!そらも上に何か羽織れ!日焼けは火傷の一種。女の役なんだから肌を大事にしろ!」
昴は答えると、そらたちに紫外線対策を確認させて現場へ急行した。