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□帝国(仮)
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いやーホントぶっちゃけ言うとこうなるのは分かってた。

平凡な中学校生活はヒマだったから、サッカー部に入ったのはいいけど。
活躍しすぎたせいかあの帝国に目を付けられてしまった。
自分以外は雑魚しか居なかったから当然、手も足もでない。
実力が違いすぎて。
チームのほとんどがボロボロで倒れている。

立ってるのはGKと自分だけ。

「ハァー…」

後半も残りわずかな状況。
思わずため息をつく。

「無理だ…勝てない…!」

GKの奴も諦めているようだ。
名前は忘れた。
覚えんの苦手だし。

「さあ、どうする?」

鬼道、とかいう奴が自分に問いかけてきた。
どうするも何も。

「知らん」

「なに…!?」

結局、負ける事になる。
点差は絶望的だし、こっちは
動ける奴も少ない。
普通なら諦める。
どうせ時間も少ない。
このまま校舎が壊されるのを
見るのも面白いが、こいつらの狙いは分かっている。
校長は権力に弱いし。
自分はきっと引き渡される。
なら、

「面倒くせぇけど、このまま
黙って負けるのもムカつくんで…ね」

ちょっと、本気だす。

ピーーーッ

帝国側がファウルした時に
止まっていた試合を再開する為にホイッスルが鳴った。

ボールは自分の足元。

「んじゃ、行くぜ」

まずは、目の前の奴か。

「させるか!」

誰この眼帯まあいいや。
かわそう。

「なにっ!?」

あらよっと。ほい次。

「え!?」

よっと。次は2人か。
邪魔くさい。

「この先は行かせん…!」

「止めてやる…!!」

うわキモこいつら。
ダッシュストーム。

「くっ!?」

「っ!?」

あばよ。
おや、鬼道は居ないのか。
じゃあ、

「止めろ源田っ!!」

ヘルハウンド。

「な…ッ!?」

□■□■□■□■□■□
全員が唖然とする中、ボールがゴールネットを貫いた。

はい、しゅーりょー。

ピッピーーー

「あー若干すっきりー…」

さぁて、帰るk

「どこに行く気だ」

「…チッ」

さすがだな…どさくさに紛れて疾風ダッシュしようとしたのを阻止するとは。

「こいつ逃げようとしたうえに舌打ちしましたよ鬼道さん」

黙れハゲ。
逃げようとしたんじゃねぇ。
ただタイムセールの時間に間に合わせようとしただけだ。
くそっ、安売りの卵が…!!
やっぱ疾風ダッシュするk

「頼む!
校舎は壊さないでくれ!!」

ナイス雑魚共。
そのまま時間稼ぎよろしk

「あいつは別に引き渡しても
構わねぇから!」

「だから校舎だけは!!」

あっはっはー★
友情?何それ食えんの?

「お前らフツーそこは、校舎はどうなってもいいって言うべきだろうがコラ」

何こいつら殺されたいの?
いいよ丁度ボールあるから何回でもシュート決めたらぁ!!

「まぁ待て落ちつけ」

「あぁ!?
んだよ止めんじゃ…」

このゴーグル野郎…
俺様に触るんじゃn
っとと、つい殺気と本性が。
俺はなんとか気を静めた。

いつもの自分に戻ると、ため息をついて校舎を見た。

「さよーなら浦山中…」

「ちなみに、
校舎を破壊しない代わりにお前は帝国に入る事になった」

「もう破壊しちゃえよこんな
ボロ学校!!」

ついに現実から目をそらせなくなった。
畜生…!予想通りだ…!!
予想通りすぎて涙がでる。

「残念だが、決定事項だ」

「あぁーマジでかー…。
超面倒くせぇぇー…」

サッカーやんなきゃよかったぜこん畜生!
かなり本気で嘆いていると、
校舎を破壊されずに喜んでいる奴らが目に入った。

「きゃっほー★」

「全員でカラオケ行かね?」

「おーナイスアイディア」

…なんだろう、
どす黒いこの気持ち★

俺はボールに足をかけた。

「…人はそれを殺意と呼ぶ。
くらいやがれミジンコ共…」

「だから待てと言うのに」

「鬼道さん、今回ばかりは
止めない方が…」

いい事言うなお前誰?
GKだから…源田って奴か!

「だよな?いいよな?
頼むからいいと言ってくれ」

「駄目だ」

「ケチー」

首を振って鬼道とかいう奴は
俺のシュート練習を認めてくれなかった。
仕方ない今度にしよう。
にしても、帝国か…。
授業とか面倒くさそう。

「まあ、いいや。
帝国に通う事になっても、
登校拒否すれば問題n」

「…言っておくが、お前は
寮から通う事になるからな。
必ず誰か迎えに行かせるぞ」

「おのれ…どこまで人の自由を奪えば気が済むんだ…ッ!」

「当然の事だと思うが」

平然と言ってのける鬼道。
俺は諦めないぞ…!

「絶対に登校拒否してみせる…ッ!!」

この命にはかえないけど。

「鬼道さん、俺が迎えに行ってもいいですか?」

「別に構わない」

そして、
自分の意思は当然のごとく無視され帝国に転校するに事なってしまった。
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