小説

□アイスが欲しい…
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「ただいま。」



ガチャっと扉があき、入ってきたのは南雲晴矢。



手には大きめの買い物袋を提げている。



どうやら買い物に行っていたらしい。




「…おかえり。」




「おぉ、風介!!おかえりのちゅうは!?」



風介が扉のところまで迎えに出ると、いきなりそういう晴矢。



風介は



「そんなものはないっ!!」



などと言って、部屋の方へ入って行ってしまった。




「あぁ…つまんねぇ奴だな…。おーい、風介ぇ!!!」



晴矢は、風介の入って行った部屋の方へ向かう。



扉を開けながらそう名前を呼ぶと…。



「だから、そんなものはないと…」



とまださっきのことを気にしているようだった。



「あぁ、ちげぇよ、そのことじゃなくて、ほら、買ってきたぜ?」



と言って、買い物袋の中から箱のようなものを取り出す、



「…アイス…??」



「アイスだぜ??」



それがアイスだと確認するとさっきの顔からパァァっと明るくなり…。



「ありがとう!!!」



と手を伸ばして受け取ろうとする。



が、しかし。



「ん、でもただではやらねぇよ??」



と晴矢はアイスの箱をひょいっとあげて、風介から離す。



「な…っ!?」



「うーん…そうだな…あ、そうだ、じゃあ、さっきキスしてくれなかったから、キスして!?」



晴矢の言葉を聞いて、顔が真っ赤になって固まる風介。



「ん?なんだ、いらねえのか…」



「い、要る!!!!」



そう言った風介の言葉を聞いて、にっと笑う晴矢。



「んじゃ、早くしろよ。」



「わ、私からしろというのか…?」



「あぁ、今日ぐらいはお前からしろ!!!」



風介は少しうつむき、それから、真っ赤にした顔をあげて…



「わかった、する…」



と答えた。



そして…




晴矢にそっと近づき、ちゅっ…と軽くキスをした。




「こ、これでいいだろ!!?早くアイス…!!!」



さっきより顔が真っ赤な風介、



そんな風介を見て、晴矢は



「可愛いなww、あー、やっぱあげねぇ。もっと良いことしてからな?」



と言った。



「…!!!嫌だ!!したらくれると約束した…ノーザン…」



「ちょ…わかった、止めろ、家が壊れるだろ!!!」



「…そうか…ならいい。」



そう言って、態勢を戻し、早くくれ、と言うように手を伸ばす風介。



「あぁ。でも、食べた後にヤろうぜ!!」



「は…?」



「お前が食べたいって言ってきたから遠いコンビニまで行って買ってきてやっただろ!!?だからそのご褒美。」



「…嫌だ…。」



「あー、もういい。アイス返せよ!!?」



そういって、無理やり風介のアイスを奪い取る。



「な…!!返せ!!!」



「じゃあ。ご褒美でしてくれんのか…??」



「…もう勝手にしろ!!!」





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