小説
□円堂君っ!!
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ここは、雷門中のグラウンド…。
そして、そのグラウンドの端で…
「円堂君円堂君円堂君円堂君…」
基山ヒロトはある一人の人物のことで頭がいっぱいだった。
「円堂君円堂君円堂君円堂君円堂k…」
「…ヒロト!!!」
練習に参加せずに、円堂のことばかりなヒロト。
そんなヒロトに声をかけたのは…。
「円堂君っ!!!!!」
円堂…
「…どうみても円堂じゃないから…」
…ではなく、緑川リュウジだった。
「あぁ…なんだリュウジか…」
姿を見たとたん元気がなくなるヒロト。
「なんだ…じゃなくて、なんでお前は練習に参加しないんだよ!!」
リュウジはそう言ってグラウンドの方を指さす。
グラウンドでは、必死に練習している皆の姿が見れた。
「…だって、オレ、今円堂君のことを考えるので頭がいっぱいなんだもん。」
リュウジは、はぁ…とため息をつく。
「円堂いるじゃん…」
「だって、円堂君、相手にしてくれないし…」
「は…?」
「だって、オレと皆と平等に扱うじゃん!!!」
「…あたりまえだろ??、キャプテンだし…」
そう言うと、ヒロトはむぅ…とふてくされて、地面に円堂君という文字を書きだした。
「はぁ…。円堂が、『なんでヒロト居ないんだ?』って言ってたけど…」
「円堂君っ!!!!!?」
それを聞くと急に元気になって立ち上がるヒロト。
そしてそのままグラウンドのほうに走って行った。