雲獄パラレル

□第一部 6
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side.隼人

「僕は雲雀。雲雀恭弥。」

俺が名前を言ってから、少しの間があいて言われた言葉に
『物好き』はそんな名前だったのかと

「ひばり、きょーや。」

と繰り返してみる。

そして、ふと思いたった。
腹を満たしたいという俺の要求は確かに達成されたが、
『物好き』―雲雀の要求は達成していない。

何もなく他人にこんな豪華な飯奢るほど偽善者じゃないだろうし、
もしそうだとしても借りを作ったままにするのは俺が許せない。

「そういえば、俺は何に付き合えばいいんだ?」

俺はいわば当たり前と思われる言葉を発したのに、
雲雀は少し表情が動き驚いたような顔をした。

「・・・別に。ただたわいもない話をすればいいだけだよ。」

「そっか。」

とは答えたものの、納得できなかった。

「なぁ、ひとつ聞いていいか?」

「どうぞ。」

「なんで、俺、なんだ?」

ずっと思ってた疑問をぶつける。
こんな豪華な料理ださなくても雲雀は端正な顔してるんだから、
話相手になる女なんか山ほどいるだろう。
それに、女じゃなくたって、
従順な部下がたくさんいるみたいだから
話相手に困ってるわけじゃないだろう。


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