雲獄パラレル
□第一部 1
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side.雲雀
ああ、また今日が終わって次の今日がやってくる。
繰り返すだけの日々は僕に何の刺激ももたらしてくれない。
いつになったら降り続く雨は止むんだろう。
車の後部座席から見えるビルばかりの街並みは単調すぎて、
繰り返す日常を変えたくなって、車を止めさせた。
傘も持たずに家へと足を進める。
こんなことで日常が変わるなんて夢見てるわけじゃないけど、
それでも少し期待を持ちたかったのかもしれない。
だからだろうか、
見慣れているはずの路上生活してる子供に目を止めたのは。
色がくすんでしまっている髪や服は
雨に濡れても元の色を浮かび上がらせることはなく、
ただ水分を含ませているだけだった。
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