小説
□喧嘩と僕らの平行線
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「月陽ナガル・・・柊スナオ・・・やぁっと見つけたぜ・・・」
頭の悪そうな不良が私たちの帰路を塞ぐ。
私とスナオは顔を見合わせた後、不良に向かって一言。
「「誰?」」
「昨日てめぇらにやられたんだけど?!もう忘れたの?!」
「えー、忘れた。」
「大体、帰り道の石ころなんて覚えてらんねぇしなぁ」
石ころ、などと言われて不良・・・不良共はキレる。
当たり前だ、挑発してるんだからキレないほうがおかしい。
「あ、思い出した。殴られて気絶しちゃった男じゃない?」
「あーあーあー!!歯、大丈夫だったぁ?あの、あれだろ?
脇役ABCDEFGHIJに絡まれた時の!!」
「脇役しかいねぇじゃねぇか!」
ツッコミを入れられて私たちはあちゃあ、とつぶやく。
「駄目だよ、ツッコミはツンデレ風にしてくれなきゃ。
今日はツンデレツッコミデーだもん。」
「ヤンデレツッコミデーじゃなくてよかったな。ヤンデレツッコミデーだったらなんてボケられようが
あなたを殺して私も死ぬぅ!!しか言っちゃ駄目だからな。」
「運いいね。あ、でも。」
ナガルが一旦言葉を切ってそっと微笑む。
まるで、ゴミを捨て終わり満足したかのように。
「私達が機嫌悪い時に現れたのは運、悪かったね」
あはは、なんて笑っているけれど手では拳が握られそれはふるふると震えていた。
・・・こいつら死んだな。
スナオははぁとため息をついてナガルを見た。
運が悪かった。
よりによって、彼らは本日ニチーム目の愚かな不良たちだったのだ。