小説

□君と僕の高校革命
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はっきり言えば神を信じるかといわれれば答えは「否」だ。
神なんて非科学的なもの私は信じない。

神がもしいるとして、この世界を作ったとするならば私は神を殴り殺しているところだろう。


貴様の所為で全てがむちゃくちゃだと。
貴様の所為で苦しむのは嫌だと。



パンドラの箱だの、ノアの箱舟だの。

災害だの犯罪だの物騒なもんをバラまいておきながら最後に希望を残して人類を生かそうだなんて。

人類が汚くなって邪魔になったからと言って洪水を巻き起こしノアだけを生かすだなんて。


勝手で気ままで意味のわからない貴様らが私は嫌いだ。









「お、ネクタイ似合ってんじゃん。」

「お前もリボンが憐れだぞ」

「どーいうことだコラァ」









この桜水学園には入学式が二回ある。

特別入学と一般生入学というものにわけられていて、特別入学はたった10人のだめだけに盛大に祝われる言わば儀式だ。







私とスナオは今日この桜水学園に特別入学をした。

いわば特待生・・・とまではいかないが私たちはこの学園にスカウトされた。

親が来るほどの式ではないものの、特待生10人に対して教員や県のお偉いさんたちが全出席。(まぁ、理事長はいなかったが)



くだらない式だ、と思いながら私はため息をついた。
















「くっだんねー式だったな。」

「たかだか10人に大げさだね。まぁ、入学式に来なくていいからいいんだけど」








本来の入学式ではすでに散ってしまっているだろう桜をながめながら私はため息。









「そーいえば、新入生代表挨拶でもっかい入学式に出席しなきゃなんねー奴いたな。」

「ああ、瀬戸 呪っしょ?優等生も大変だねぇ。」







瀬戸、という生徒は今日も生徒代表挨拶をしていた。
中学はここらでは名門私立に通っていたらしい。少し長い黒髪に黒縁メガネ、ブレザーのネクタイは黒。

イメージ的に暗い男だ。
いや、優等生のオーラがにじみ出ていて私はそれが気に食わないからこんなことを思うのかもしれない。






「あとは普通だったよなー、この高校も俺らについてこれるか。」






不適に笑うスナオに私も思わず微笑む。
小学校で、私たちは悪餓鬼だった。


いや、悪かったわけじゃない。






小学校が私たちについてこれなかっただけだ。
中学だってそうだ、私たちについてこれずに私たちを劣等生扱い。



ふざけるなと何度思ったか?







「不平等な教師殴ったら親を呼び出されて。」

「露出狂をボコったら裁判にかけられて。」

「「まったく、不条理である」」

「いや、お前らなんなんだよ?!」





鋭いツッコミだと思いながらふと声をした方をみると新入生らしき二人の男。

どうやら双子らしく、そっくりである上に同じポーズをしている。

片方は前髪をピンで留めていてそれで周りの人間は識別をしているんだろう。







「あ、俺斎 智楽な。よろしく。」

「よろしく。私は月陽 流だよさっきのツッコミはちょっとぬるかった。」

「俺は柊 順だ。俺なら『お前らのほうが不条理だ!!』ってツッコミを入れる」

「自覚してるのかよ!!」

「「おおー・・・」」






一応、ツッコミを入れてきたアキラとは自己紹介が済む。
隣に目をやるとじー・・・とアキラの片割れが私を見ていた。



なんでだと思っていると、片割れは口を開く。







「素敵なS顔だな」

「うん、初対面でそんなん言われたの初めてだわ私。」

「俺、斎 智梓。よろしくー」






正直よろしくしたくないんだが。
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