小説

□お姫様と喧嘩(レンリン)
2ページ/2ページ


どことなく小さな小動物に見えるリンを、見ていられなくなった俺は、リンの頭にポンっと手をのせる。

「元は俺のせいだよ。ごめんな。
だから……泣くなよ…」

「泣いてないもんっ…」


いや、泣いてるし。
強がっているリンを見て、俺は思わず笑ってしまう。


「何笑ってんのよ」

「別に?」

「……」


顔を見合わせ二人で笑いあった。

「じゃあ、レコーディングしてくる」

「うんっ」


今なら歌えそうだ。



ルンルン気分でレコーディング室のドアを開ける。


「メイコ姉、ごめんっ!
もう1回やらして!」


両手を合わせ下から目線で頼んだ。


「しょーがないわね!
今日マッサージよろしく♪」



今まで歌った中で1番といっても良いぐらい楽しかった。

さっきは、リンがお姫様役だからって頑張りすぎてたみたいだ。

いつもどおりに、リンを思いだし…
いつもどおりに、素直に自分の想いを歌えば良かったのにな…




あとでミク姉にもネギ買ってやろっと。
俺は、ネギ神信者の第1号だぜ!






《世界で一番おひめさま
傍にいる ずっとな
だからずっと笑ってて
お前と俺は二人で一人
離れることしないから、
ねえ、おひめさま
"だいすきだよ"》
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ