小説
□お姫様と喧嘩(レンリン)
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どことなく小さな小動物に見えるリンを、見ていられなくなった俺は、リンの頭にポンっと手をのせる。
「元は俺のせいだよ。ごめんな。
だから……泣くなよ…」
「泣いてないもんっ…」
いや、泣いてるし。
強がっているリンを見て、俺は思わず笑ってしまう。
「何笑ってんのよ」
「別に?」
「……」
顔を見合わせ二人で笑いあった。
「じゃあ、レコーディングしてくる」
「うんっ」
今なら歌えそうだ。
ルンルン気分でレコーディング室のドアを開ける。
「メイコ姉、ごめんっ!
もう1回やらして!」
両手を合わせ下から目線で頼んだ。
「しょーがないわね!
今日マッサージよろしく♪」
今まで歌った中で1番といっても良いぐらい楽しかった。
さっきは、リンがお姫様役だからって頑張りすぎてたみたいだ。
いつもどおりに、リンを思いだし…
いつもどおりに、素直に自分の想いを歌えば良かったのにな…
あとでミク姉にもネギ買ってやろっと。
俺は、ネギ神信者の第1号だぜ!
《世界で一番おひめさま
傍にいる ずっとな
だからずっと笑ってて
お前と俺は二人で一人
離れることしないから、
ねえ、おひめさま
"だいすきだよ"》