小説
□雷の夜
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ピカっと光る。
ゴロゴロと鳴り響く。
そして、リンが泣きわめく。
「ぎゃーーーー!!!!やだやだ!もう無理!寝れないよ!」
ずっと、この調子。
雷が鳴り始めてからリンのベッドの上で二りで座ってる。
ほっとけないし…
ま、必然的に俺は寝れないけど。
「レンっ!今すぐ雷を倒して!」
んな無茶な。
「雷なんて光って音がするだけじゃん」
「それが怖いのよ!頼りないわね!」
…頼りないと言われては、黙っちゃいられないな。
「じゃあ、頼りない俺は寝るかな〜」
「へっ!?ね、寝ちゃうの?」
「何か問題でも?」
慌てるリンを余所に、ベッドに入る俺。
別に、リンを虐めたいわけじゃないんだよ?
ただの作戦★
「ちょ、待って!お願い…」
「…なんでー?俺って頼りないんでしょ?」
あえて突き放すような言い方をすると、ガン見をしてくるリン。
さぁ、作戦本番だ。
「じゃ、おやすみ」
「さ、さっきのは嘘!…頼りあ、る…から…起きてて…」
「んー?もっかい言って?」
「レン…は、頼り…ある」
「もっかい」
今にも泣きそうな顔をするリンは、少し頬を桜色に染める。
そして、思いきったように答えた。
「…レンは頼りあるから起きてて下さいお願いしますぅー!!」
その声は悲鳴に近い。
ちょっと可哀相な事しちゃったかな?
でも。
「頼りある」と言われるための作戦だったんだよ。
…なんで言われたかったのかって?
もちろん、君が好きだから。
君に…頼られたかったんだよ。
「ごめんごめん。
先に寝るなんて嘘だよ」
とりあえず謝ろう。
怖がらせちゃったしね。
リンは安心したような溜め息を吐き、俺のベッドに入ってきた。
「ぇ、リン!ベッド狭いから!」
「…1人で寝たくないだもん。ほら、もっと詰めて」
シングルベッドでは、いくら俺らが中学生で小柄でも、やっぱり狭い。
寝返りうてないなコレ…
でも、
「あったかい」
背中合わせで寝ているため、背中がホカホカする。
リンは湯たんぽだったのか?
「…そういえば雷、鳴ってないな」
「…」
「…リン?」
「…」
「完全寝たな」
聴こえるのは寝息だけ。
寝るの早ぇよ。
…あー…
明日の朝起きたら、リンの足は俺の上にあるんだろうな。
昔から寝相悪いんだよ!
ま、もうこんな時間だし俺も寝るか。
明日は雲1つ無い青空を願って…
★あとがき★
雷ネタ書いてしまったw
リンは雷嫌いだと良いよ←
一部レン君鬼畜でしたね。
何がしたかったんだ私は!