小説
□気になる理由 レンリン
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「レーン!ミカン食べたでしょ!」
白いリボンを揺らし椅子に座っていた俺に怒鳴りつけてきた。
「はぁ?しらねーよ。リンのミカンなんて」
いや、真面目に。
リンの食ったら殺されるし。
14歳にもなってミカンにマジックで[リン]と書き、食べられないようにしてんのは、どうかと思うけどさ。
「じゃあ、カイト兄ね!」
ズカズカとカイト兄の部屋に近づき、ドンっとドアを開ける。
1秒後、怒鳴り声が聞こえてきた。
「はぁ…。なんだかなぁ〜」
俺はなんで…
リンが気になるんだろうな。
あんな感じで気は強いし、第一双子の姉だぜ?
「レン君、生きてる?」
死んだように、ぼーっとしてた俺にツインテールの義姉が話しかけてきた。
「…ミクねぇか…
いつ帰ってきたの?」
確か出かけてたはずだ。
「何その[なーんだ…]的な反応は!
…ったくもう…。さっき帰ってきたのよ」
ミクねぇは溜め息混じりに答える。
俺、そんなに微妙な態度とってたか?
まぁ…いいや。
「リンは?」
「カイト兄を半殺し中」
特に気にする様子はなくミクねぇは、そうと答えた。
刹那、カイト兄の部屋のドアが開いた。
「あ、ミクねぇ!
おかえり」
スッキリとしたような顔でリンが部屋から出てきた。
「ただいま〜!
リンにお土産だよ。実はレンにも★」
リンが来て明るくなったミクねぇはゴソゴソとバックをあさる。
つか、俺にもあるの?
「ほらっ★」
出てきたのはピンクと青のペアネックレス。
「リンがピンクで、青がレンのよ」
「かわいい!」
俺はハッキリいってネックレスなんていらなかったけど、リンは嬉しがっている。
「レン、おそろだね!」
実に純粋であり、弾けるような笑顔をしてきた。
…最初の方に言ってた「なんで気になってんだろう」の答えは分かった。
「そーだなっ」
俺はリンの笑顔が…
大好きだからなんだろうな…