その他

□人並みにリア充になってもいいじゃない!
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ある日、二歳年上の同級生が隣の席になりました。

「よろしくねぇ綾部くん」

斎藤タカ丸という人で、諸事情により三年生の年齢なのに一年生として転入扱いでこの春、めでたく高校に通うことになったらしい。

金髪に着くずした制服。
派手な外見の彼は、最初こそ様々な噂が流れていた。
例えば、留年は素行の悪さからだとか、喧嘩した。
はたまた一時お巡りさんのお世話になったからとか…
ところが、当の本人は喧嘩どころか道行く困った人を放っておけないような人。
いただけないのは服装と成績のみで(といっても家庭科音楽美術の実技教科の点数は素晴らしい)、素行は真面目で努力家。 いつもにこにこ笑顔の絶やさない、太陽や向日葵のような明るく和やかな人。


「はい、これから隣同士仲良くしましょう。タカ丸さん」

とどのつまり。
何が言いたいかというと。
気に入っているのです。
彼のことが。


「うん、よろしくね」

僕の方から差し出した右手をふにゃっとした笑顔で握るタカ丸さん。
その光景を見たクラスメート、先生までもが僕たちから距離を取った。

…失礼な


周りの様子に気づいてないのか、僕と握手を交わしたまま笑顔でいるタカ丸さん。

これからもっと仲良くなれることを願って握った手を力を入れた。























続くことはない!…はず
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