稲妻11

□ナニワランドの観覧車前の出来事
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大阪にやって来て最初に来たのは、ナニワランドとかいう遊園地で、そこにエイリアのアジトがあるとの情報ってことで、みんな各自あちこち調査してるんだけど…

「なあ円堂、あっち見てみようぜ!」
「はぁー…風丸ぅ…何で土門なんだよ…」
「ちょっと、遊んでいる場合じゃないのよ!?」

とか言いながら、ずるずると塔子さんと塔子さんに引っ張られている円堂君の後を追って、夏未さんもアトラクションの方に足を向けてしまっている。
(ここに春奈ちゃんがいなくて良かったな…)
根が真面目な彼女なら、きっとちゃんと調査してくれるだろうけど、それは最初だけで後々になってからアトラクションやお土産屋さんに入って行くだろうと思った。現にさっき木暮君とジェットコースターに乗るのを見かけたし。


一通り見て(主にアトラクション)誰からともなく、観覧車に乗ることになった。
円堂君夏未さん私塔子さんの順で並んで待っていると、順番が回って来ていよいよ乗り込もうという時に、夏未さんの方をちらっと見ると、彼女もこっちをちらっと見て円堂君の方を見て、頬を少し染めていた。
私も少し円堂君の方を見た後に、夏未さんの方を見ると、さっきと同じ動きをして困ったようにお互い笑った。

そうこうしているうちに、円堂君がさっさと観覧車の一つに乗っていて、搭乗員さんが「お早めにお乗り下さい」とかいう声をかけたと思うと、塔子さんが私の後ろから駆けて円堂君の隣に収まった。

それを見た瞬間に夏未さんは残念そうにし、私は思わず苦笑してしまった。

表向きは仕方なく、といったふうに。でも私にとっては結果オーライ。

本当は夏未さんと乗りたいなぁって思ってたから。

きっと貴女は私が貴女を見たのは、貴女が私を見たように、円堂君と一緒に乗ろうと思い牽制していると思っているでしょうね。
実際は貴女が円堂君と乗るんじゃないかとハラハラしていたし、勿論すの理由も貴女とは違うし、こっそりと一緒に乗ろうって意味を込めていたことには気づいていないでしょうね。

でも今はそのままで全然いいのよ。
気づいたときには、常に私が貴女の隣にそっといるから。


とりあえず現在心の中で流れた言葉は「塔子さんGJ!!」
そして心の奥から春奈ちゃんがいなくて良かったと思った。






(彼女がいたらきっと三人で座るはめになっていたわ)
(何か言ったかしら?)
(ううん!見て夏未さん、すっごい景色綺麗!)
(だから調査…)




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