FF7
□闇に消えた心
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好きだって 愛してるって
そう言うと心がその分薄くなる気がする
でも僕は毎日毎日兄さんに好きだといい続けた
だって他に愛を証明できる方法をしらなかったから
僕の心が薄くなる代わりに
兄さんの心が埋まるのならそれは幸せなことだろう
それに僕の心は毎日毎日好きだって気持ちでいっぱいになるから
いくら言ってもぜんぜん平気だよ
でも
兄さんが死んでから好きだっていう人を失った
いくら言っても僕から離れては行かずただ辺りに漂い
兄さんには届かない
兄さんが好きだって気持ちが心に少しずつたまっていく
心の底にどんどんとたまっていく気持ち
それはどろどろとした重力をもって心を沈める
体中に泥がまとわりついたように重くなる
初めて愛が重いものだと気が付いた
だからあの男の提案にのった
兄さんがよみがえってくれるのなら僕はなんだって出来る
だからあの男にわざと倒された
兄さんに会いに行くために
でも兄さんが呼んだから初めて生にしがみついた
兄さんに会いに行くために
そして兄さんが呼んだから最後の力で死から離れた
兄さんと共に死ぬために
兄さんは巻き込んですまなかったと最後に呟いた
僕はそれに答えて一言だけ答えた
だって他の感情を知らなかったから
その気持ちをくれた兄さんに感謝を言いたかったから
光と闇が溶けるその刹那好きだとそっと囁いた
それが闇の終わり