FF7

□夢と現
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何も見えない。何も聞こえない
自分の呼吸音や鼓動さえも聞こえない・・・

俺は生きているのか?それとも死んでライフストリームの中を漂っているのか?彼や彼女のように・・・
彼?誰なんだ?彼っていったい誰なんだろう・・・
ああ、わずかに思い浮かぶのは黒髪の男、茶髪の女、そして楽しげな笑い声
ダレ?確かに知っていたはずなのに
とても大切な俺の・・・おれ?
俺ってダレだ?オレは・・・自分は?
もう何もわからない



そうやってどのくらいの時間を漂っていたのだろう、ふと遠くのほうに暖かい何かを感じた。
緑の光の流れだ。光の流れるやさしい音楽も聞こえる。
俺はそちらに近づこうとした。
“来るな××××”
強く誰かに名を呼ばれた気がして、辺りを見回すが遠くに見える河以外には何も見えない。
気のせいだろうと進もうとすると、又声がした。
“だからこちらに来るなってば××××”
その呼ばれているのは確かに自分の名前とはわかるが、彼がなんと言っているのかよくわからない。自分の名前はいったいなんだったんだろう。

「俺を呼ぶのは誰だ?」

“おいおい、親友の俺の声も忘れちまったのか?”
“クスクス、ひど〜い××××ったら”
とても楽しそうな2人の声が河のほうから聞こえる。思い出せそうなのに名前も顔も出てこない。
「誰だ?」
“私のことも忘れちゃったの?薄情者っ”
「お前たちは誰なんだ?どうして俺を止めるんだ?」

“それはな―”
後ろのほうに気配を感じ振り向くと、闇の中に男が独り立っていた。その白い肌も銀の髪もなぜか闇に近く思えた。
“×××××を助けてほしいからさ。あいつは本当ならもうこっちに来てもよかったのに、無理矢理あちらにつながれちまったんだ”
その闇の中に繋がれている男も自分は知っていた。昔彼の背中を追いかけていた。そして―?
自分の体から小さな光の塊が離れた。それを突然現れた女が捕まえる。
女はどこかこの世のものとは思えなかった。強いているなら雰囲気だろうか。そこに存在しているが、同時に存在していないようにも見える。まるではかない光のようだった。
“××××の欠片、大分私たちで集めたんだよ。ライフ・ストリームに飲み込まれちゃわないようにね”
彼女は優しく笑うと光を返してくれた。
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