FF7

□ホワイトデイにもらったもの
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クラウドはいい加減に帰ろうと、一番下の階まで降りると玄関を目指した。
突然、外のほうから悲鳴が聞こえた。
なんだろうと外に出ると、人々が上のほうを見上げて騒いで。
「?」
つられて上を見上げるとそこには黒と銀の・・・
「クラウド、いったいどうしたんだ」
軽やかな動きですぐそばに降り立った英雄はクラウドに問いかける。この英雄にはあの高さがなんでもないようだ。けろりとした顔をしている。
「何か用があたったんじゃなかったのか?」
「え、あ・・・あう」
「どうした?」
セフィロスは心配そうに魔光色の瞳で覗き込んできた。
あまりのことに考えが停止していると、脇にもうひとつの影が舞い降りた。
そちらに目を移すと、飛び降りてきたのはザックスだった。ただこちらは少し痛そうに顔をしかめている。
「おっさん、だから飛び降りるのは無しな」
「お前も飛び降りたからいいだろう」
「俺はいいんだよ」
「それで、クラウド何のようだったんだ?」
セフィロスは埒が明かないと思ったのか、こちらを見てきた。
ようやくクラウドは混乱から少し抜け出ることができた。
だからまずやらなければならないことをしようと動いた。
「こ、これ・・・受け取ってください」
そういってクラウドは手に持っていた青色の箱を差し出した。
「ああ、わかった」
完全に虚を食らったセフィロスはおとなしく受け取った。
クラウドはセフィロスに受け取ってもらったうれしさに頬を赤く染めると、英雄の脇をすり抜け走り去っていった。
あとには通りすがりの人々と、口をあけたまま固まっているザックスと、手に持った箱を見つめるセフィロスが残された。
そんな3月14日。

その後一ヶ月ほど、神羅カンパニーにはいろいろな噂話が流れたそうだ。
そしていまいち知られていなかったウータイ独特のイベントは神羅の伝統になったのだった。
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