リクエスト

□小さな恋人
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角都を抱っこして元凶であろうヤロウの元に向かったオレは、扉の前でその会話を聞いてしまった。


「旦那、角都にそんなことしたのか!? うん!?(汗)」

「今頃、うまくいってるはずだ。オレの作った薬でな。昨日の夕飯に仕込んでやった」


サソリの口元がニヤリと悪魔の笑みに変わった気がした。


やっぱりサソリの奴、角都に一服盛りやがったな。

かわいそうに、腕の中でスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている角都はそんなこと知りもしないだろう。


「けど、あの角都がよく気付かなかったな。うん」


それはオレも思った。

いくらサソリが仲間とはいえ気を抜く角都ではない。


「当たり前だ。飛段に盛ったからな」

「「は!?(汗)」」


オレとデイダラの声が重なった。

サソリは丁寧に説明する。


「オレが作った毒は、摂取した奴から他者へと移すことができる。効果が出るのは、その移された他者だけだ。飛段の奴、なにも気付かずにムシャムシャと毒食ってたな」


バカにするようにせせら笑ったあと、デイダラが質問する。


「病気みたいなものなのか? だったら、アジト内にいるオイラ達もヤバいんじゃ…」

「心配ない。咳みたいに空気感染するもんじゃねえんだ」

「じゃあ?」


オレは聞こえやすいようにと扉に耳をくっつけた。


「毒は摂取した奴の精子と混じり、体内放出されたら毒が移るようになっている」


空気が凍りついた。


オレは昨晩の行為を思い出す。

調子に乗って3発以上角都の中に中出ししちまったんだった。

毒大量放出。

尻の穴からどぷりとオレが出した白い液体を垂れ流す角都もついでに思い出しちまって腰にズシリと重みがくるのを感じた。

いや、今は思い出し欲情している場合じゃねえ。


「サソリィ!!(怒)」


キレたオレは乱暴に扉を開けて中へと足を踏み入れる。

サソリの後ろに立つデイダラはビクッと体を震わせて「ひ、飛段!?(汗)」と驚き、サソリは胡坐をかいて巻物に傀儡をしまいながら、「ん?」と澄ました顔をこっちに向けた。


「ああ、なんだ聞いてたのか」


たぶん最初か途中で気付いていたはずだ。


「よくもオレの精子…、じゃない! よくもオレの角都をこんな姿にしてくれたなァ!!?」


角都の両脇を両手で支えながらブラ〜ンと体もアソコもちっちゃくなった角都をサソリとデイダラに見せつけた。


「それよりもうちょっと大きめのサイズを想像してたが、昨晩も激しかったようだな。そんなになるまでヤッちまって…」


口端を吊り上げて言ったサソリの言葉に、オレとデイダラの顔がカッと赤くなった。


「オレの精子…、じゃない! 角都はどうなるんだ!?」

「てめーが一番心配してる精子の毒は昨晩でたっぷり出したならもう切れてるはずだ。それと、角都はちょっとしたら元に戻る。そんなにちっこいと、少し時間がかかりそうだがな。体も心も年齢通りになってるはずだから、精々可愛がってやれよ、飛段パパ」


その時、オレの頭の中に「飛段パパ」という単語がエコーした。


「パパ」、「パパ」、「パパ」。


こんなにちっこくなった角都に「飛段パパ」と呼ばれたところを想像した。


オレが言うのもアレだが、ダメ、萌え死ぬ。


「でかしたサソリィ!!」


オレは興奮のあまりサソリに親指を立てて「グッジョブ!!」と言った。

サソリの後ろにいるデイダラが視線を逸らして「おまえは角都のなにになりたいんだ。うん(汗)」とボソリと言ったのが聞こえた。


「ところで、なんで角都を子供にしたんだ?」


オレが問うと、傀儡をすべてしまい終えて巻物を巻いているサソリの手がピタリと止まった。

それからうつむいて巻物を見つめたまま答える。


「…「ガキみたいに人形遊びばかりしているようなら、給料を削るぞ」だそうだ。オレの芸術を人形遊びだと? ガキの人形遊びを知ってから物を言えって話だ。なあ、デイダラ?」

「旦那、黒いチャクラが見えてるぞ。うん(汗)」

「オレにも見える(汗)」


ついでに、頭のツノと尻から生える尻尾も見えた。


それからサソリは立ち上がって部屋を出ようとオレの横を通過する。


「オレはこれから任務ついでに高飛びさせてもらう。ちゃんと育ててやれよ」


肩越しにこっちを見て不気味な笑みを浮かべる顔をしっかりと見てしまった。


「旦那、オイラも!」


外套を身に纏ったデイダラもそのあとを慌てて追いかけた。

まるでテレビで見た駆け落ちする男女みたいだ。


窓は閉まってるのに、寂しい風が吹いた気がする。





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