リクエスト
□存在に縛られて
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角都が単独任務に出て3日が経過した日のこと、自分の寝床であるカプセルで寝ようとしたペインだったが、先客がいた。
寝心地が悪いのか、眉間に皺が寄っている。
「…そこはオレの寝床なのだが…」
「ああん?(怒)」
目を開けると同時にペインを睨みつける飛段。
(うわ、すごく不機嫌)
角都が単独任務に出かけた初日より酷い。
「なぜこんな嫌がらせをする?」
「テメーにキレてるからだ(怒)」
とても素直だ。
ペインは拗ねた子供みたいな飛段を目の前に、腕を組んでため息をつく。
「仕方がないだろ。今回の任務は商談で、相手はお得意様だ。おまえも顔ぐらいは合わせたことがあるはずだ」
「だったら、オレも連れてってくれたっていいだろ。邪魔するわけじゃねーし」
そう言いながら、カプセルから上半身を起こした。
「単独任務にしたいと言いだしたのは角都だ。オレに言うな」
初耳なのか、飛段は一瞬驚いた顔をし、一層険しい顔になる。
「なんでだ!?」
「知らん」
「……………」
本当に知らないのかと怪訝な顔でペインをじろじろと見つめていたが、無表情を通すペインを見て「そうかよ」と苛立ちとともに言いすてたあと、カプセルから下りた。
「角都…、いつ帰ってくるかな…」
「今日、商談が終わる。明日か明後日になるだろう」
ペインがそう言うと、飛段は黙ったままペインの部屋から出て行った。
飛段の寂しげな背中を見送ったあと、寝床を取り戻したペインはカプセルに寝転んだ。
「まったく、飛段は本当に子供だな。…ん?」
枕が妙に膨らんでいて硬い。
寝転んだまま枕の下を探り、なにかをつかんだ。
「!!?」
取り出してみると、布製で顔にジャシンマークが入った人型の人形が出てきた。
人形は血にまみれ、釘が何本も打たれている。
特に大きな1本の五寸釘は股間に打たれていた。
(そしてやはりジャシン教…!!(汗))
なんてところに、と人形をつかんだペインの手は震えていた。
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