Story
□甘い蜜
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−−−目が覚めた。
窓からは明るく暖かい光が差し込んでいた。どうやら仕事をしながら寝てしまったようだ。
自分の事務所にある手触りのいいソファから起き上がった。なんだか体がだるいのは気のせいだろうか。少し頭が痛い。
−−−昨日頑張りすぎたかな・・・
外の空気を吸おうと思い、財布やら必要なものをコートのポケットに入れ、足の向くままに出かけた。気付くと…
池袋にいた。あぁ、俺はやっぱり池袋が好きなんだなと思った。
しばらくぶらぶら歩いていた。頭が痛い。ふらふらする。こんな状態でシズちゃんに遭遇したら…
「いざやああぁぁぁ!!」
やばい、シズちゃんだ…タイミング悪過ぎ・・・。
「や、やぁ…シズちゃん…」
「なんだ、手前…、逃げないのか…?」
無理だよ、そんなのと言おうとしたが体に限界が来ていた。
「っ………ぁ……」
「おぃっ!臨也!?」
俺は地面に倒れ込んだ。アスファルトの硬い感触が体全体を突き抜けた。
「臨也っ!?」
シズちゃんが俺の体を揺する。
−−−シズちゃん、暖かいな…
意識が遠退いて行く。目の前が闇に包まれた−−−