段ボール

□傍に居てほしい
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「つーかここ、本ッ当になんもねーよなぁ…」
帝人のボロアパートで、正臣は一人ごちた。
只今の時刻、AM6:13。
正臣は昨日帝人の部屋へ遊びに来て、翌日が土曜――つまり休日なので、そのまま泊まり込んだのだ。
正臣は ちらり と、帝人の寝顔に目をやる。
すーすー と健やかな寝息を立てている。
「ったく…可愛過ぎだよ、この童顔が」
そう言うと、正臣は声を抑えつつも クスクス と笑った。
「……ん??」
よく見てみると、帝人は少しうなされているようだ。
「なんだなんだぁ?怖い夢でも見てるのかな〜帝人クンはぁ??」
正臣がそう言った途端、
「ぅわあぁぁあぁッ!!!?」
と叫び声を上げながら、帝人が跳び起きた。
「ちょ、なんだよ帝人!?びっくりするだろ…」
やれやれ と正臣が帝人に再び視線を戻すと、
「…え、ちょ、な…」
「まさ……お、み…?」
帝人が、ボロボロに泣いていた。
「おま、お前、なんで泣いて……」
その問いに、帝人は ひっくひっく と泣きじゃくりながら答えた。
「まッ正臣が、ッ居なくなっちゃ、う、」
「へ?俺が??」
「や、だぁ、ッ居なくなっちゃ、やッだ、よ」
そんな帝人の表情を見て、正臣は ふっ と優しい笑みを浮かべ、抱きしめた。
「…居なくなんないよ。ちゃんと傍に居るから……だから……泣き止んでくれ;対応に困る」
「ふえっ……えぐッ、ぅ、」
結局、帝人が泣き止むのに30分以上かかったのだった。


傍に居てほしい
(…寝ぼけてたのかな?)
(うッ五月蝿いなぁ!)
(でも可愛かったよ?寝顔も泣き顔も)
(ちょ、やめてよ////!)


→後書き^^→

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