+++ story @S +++

□dot.0
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今日は雑誌の単独取材だった。
なかなか撮影が上手くいかなくて結局もう夜中。

ちゆ君寝ちゃったかな…

でもそれよりも家に居るかどうかが心配だった。
確かに一緒に住んでるし、今日はちゆ君はオフのはず。
もうこんな時間だし家に居て当たり前。

でも最近のちゆ君はなんだかおかしい。
俺に何か隠してるみたいに急に自分の部屋にこもったり、こないだはまーたんと飲みに行く、帰り遅くなるって言って結局帰ってこなかった。

一緒に住んでるって言っても、俺が勝手に寝泊りしてるだけだしね。
そろそろちゃんと自分の家に帰った方が良いのかな。

ちゆ君は何も信じられなくなって自暴自棄になってた俺を支えてくれた。
愛するってことを教えてくれた。

俺達が仕事してる世界に"絶対"っていう言葉はない。
今は順調でもいつ何が起こるか分かんない。

仕事の世界だけじゃない。
俺達が生きてる世界の未来は誰にも予想できない。

それでもちゆ君は俺にとって大切な道標だから。
俺の過去も傷も、全部含めて愛してくれる人。

―――カチャ…
玄関のドアを開ければやっぱりちゆ君の靴は無かった。

「 はぁ…… 」
ため息をひとつついて部屋に入る。
リビングのテーブルの上にはメモが置いてあった。

『武瑠
  まーたんとゆじさんに呼ばれた。
  いつもの居酒屋だって。
  帰り遅くなると思う。
  寝ててえぇからな?
               ちゆ』

またまーたん。
今日はゆじさんが居るって言ったってどうせ二人でどっか行くんじゃないの?
まーたん家で二人で飲みなおし?
それとも俺にもしたこと無いようなことまでしてる?

ねぇ、やっぱり俺は誰も信じちゃいけないのかな…
ちゆ君は俺にとって必要な人なのに、ちゆ君にとって俺はまーたんの次で、代わりならいくらでも居るの?

俺は溢れそうになる涙を必死で食い止めながらソファに身を沈めた。
そしたら仕事の疲れなのか、色々悩みすぎて疲れたのかそのまま眠ってた。



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