他カプ
□南風
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・南風、佐久涼
南雲と喧嘩した
『もういい!俺に近付くな!』
そう言って殴られた頬が痛い。
喧嘩した理由は円堂。
突然告白されて、なるべく円堂を傷付け無いように断る言葉を探してた間に、それを了解と受け取ったのか突然唇を重ねてきて…
漫画みたいなタイミングで南雲に見られた。
「っ…ごめん、南雲ごめん」
俺が間を開けなかったら、円堂が早とちりする事も無かった。
素直に直ぐに、南雲が好きなんだって言えば良かった。
水道にもたれるようにして、口いっぱいに水を含んで出して唇を必死に擦る。
こんな事しても無駄だってわかってる
でも涙を隠したくて、さっきの出来事を無くしたくて
「……………」
近付きたい触りたい安心するんだ南雲の側が。
南雲の言葉を頭の中で繰り返すだけで胸が痛くなって涙が溢れる。
いつの間にか頭までびしゃびしゃで、昼間で良かった。チームメイトは皆外で練習中だから誰も来ないだろう。
だから、もう少しこのままで…
「何をしている」
髪を引かれ突然頭を挙げさせられて流れる水から頭が離れた
「すずの…」
「新手の自殺か?どうした、何かあったのか?」
俺と同じ様に床に膝をついて手に持っていた自分のタオルを俺にかけて頭を拭いてくれる
ああ…
「ど、どうした風丸」
涼野に抱き付いて、嫌われた南雲の事を思う
「涼野…っ南雲は?」
「喧嘩したのか…」
はぁ、とため息を付かれ
頭をぽんぽんと叩かれた
「円堂にシュートぶち込みながら『俺の風丸に手ぇ出すんじゃねぇ!』だと。えらく機嫌悪かったぞ」
「…………………」
涼野の話が本当だとしたらかなり嬉しいモノだ。何時もなら頬の筋肉が緩む所…だが
「南雲、怒ってたんだ…っ近付くなって言われ、て…」
ぼろぼろとまた涙が溢れて止まらない
「殴られ……っ、俺がしっかりしてないから、南雲が怒って」
「風丸、お前はしっかりしてるさ。しっかりしてないのは南雲だ」
「南雲…?」
「好きなヤツくらい信じてやれないヤツが悪い。円堂の事は何とも思ってないんだろ?」
背中をぽんぽんと優しく叩きながら、優しく話す涼野に落ち着いて涙が止まりかけてきて
「円堂よりずっとずっとずっとずっと南雲が好きで仕方無いんだ、でも俺、南雲に嫌われて…どうしていいかわからない……」
涼野は本当に良い相談相手だ。俺より南雲と長く一緒に居た分アイツの性格をよく解ってるから適切な返答をくれる。
「安心しろ風丸。アイツもお前が好きで仕方無いんだから…。そうだろ、南雲」
「んだよ、テメェまで風丸狙ってんのか」
「誰が」
いつの間にこんなに近くに居たのか、南雲が俺の隣に座り込んで
「悪かったな、カッとなっちまって…お前の話聞かなくてよ…。俺、お前が好きだから。…その、俺の知らねぇ所で円堂と出来てたんじゃねぇかって思って…」
「そ、そんな事ない!俺、円堂の告白断ろうと思ってたんだけど突然……、」
ぎゅうっと抱きしめてくれて、酷い事言って悪かった、ごめんって何度も言ってくれて
隣で涼野が呆れてるのが見えて
「バカップルめ」
「どっちが。テメェと佐久間のがキモいわ…ほら、王子様呼んでるぜ?」
練習が休憩に入ったのか、チームメイトの声の中でも一際佐久間の声が大きく聞こえてきた
「はぁ…南雲、」
「んだよ」
「風丸大切にしろよ」
そう言って笑って、佐久間の声がする方へ行った涼野の背中に
「わかってら」
と南雲が言った。
「俺、南雲に嫌われて死ぬかと思った」
「俺も風丸が円堂と出来てるくらいなら、殺してしまおうって思った」
「南雲に殺られるなら幸せだな、俺」
「殺らねぇよ、まだあったけぇ風丸を抱きたい」
「ばっ…!…ッ」
「は、顔真っ赤」
「誰のせいだ、誰の」
――――――
中途半端(^q^;)
南風は鬱でも病んでても、幸せでも何でもイケる美味しいと思います←聞いてない
最初は風丸殴りたかっただけ←
南雲は感情で動きそうだな…。