夢の世界...
□My sweet...☆01
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とあるヴァリアーのとある日常。
「う゛ぉぉぉぉぉぉい!!」
とあるロン毛の叫びが聞こえる。
「フラン!!何拾ってきたぁぁ!!」
「うるさいですよーアホロン毛隊長ー。何って…ネコですよネコー。ほら、ニャー。」
フランがひょいっと“ネコ”を持ち上げてみせる。
「どう見ても人間だろうがぁぁぁ!!どこで拾ってきたぁぁ!!!」
「外ですー。そこに倒れてたんでー、ノリで拾ってきちゃいましたー。」
「ノリだとぉぉ!?すぐ捨てろぉぉ!!」
「えーーこの子ころす気ですかーー?」
「お前が拾ってきたのが悪いんだぁぁ!!」
「そんな大声出すとー、この子起きちゃい…」
『だ……れ…?』
「あーー……」
――起きちゃいましたー。
『なっなにココ、きゃぁっ!誰!?何この蛙!!ちょっと早くおろしなさいよカエ…きゃぁっっ!!』
ぱっとフランに手を離され、床にドタッと落とされる。
『いったぁぁぁ〜〜…。何するのよこの蛙、蛙、蛙ーーーっ!!』
ビシィィィっと“ネコ”が指をさす。
彼女は少し赤みがかった茶色の髪を二つに結び、大きな赤いリボンでとめ、黒いフリル付きのワンピースにアクセントの赤いリボンが目立つ服を着ていた。
自分勝手なところなど、ネコらしいと言えばネコらしい。少しキツめの目がまたネコらしさを感じさせる。
『てゆーかここどこ!?』
「ヴァリアーですけどー。」
『ヴァリアー?何それ地名?場所を聞いてるんだけど。』
「イタリアですー。」
『イ…イタリア?何それ?どこ?』
「あんたこそどこの人なんですかー?」
『私?私はレイクライトから来たの。』
「レイクライト…どこですかー?」
『あなたレイクライトも知らないの!?魔界の中心都市よ!?』
「まかい……?」
『魔界も知ら…………』
少女は急に黙った。
『ここは何界…?』
「………人間界?」
『…うわあぁぁぁぁん!!!』
少女はいきなり泣き出した。
「ぇ………」
先ほどまで話していたフランと、アホロン毛…スクアーロがバトンタッチする。
「う゛ぉぉぉい泣くなぁ…」
『魔界に帰りたいよーー…』
「どうしてそんな所から来たんだぁ…?」
『どうしてって…知らないわよ!!学校一日サボったら先生に怒られて…落とされて……そう!!人間界に落とされたのよ!!』
「落とされただぁ?」
『そう…。魔界は人間界の上にあるんだからねっ!あぁーー早く魔界に戻りたいー…』
「どうやったら戻れるんだぁ?」
『自分で戻るのは不可能っ!先生のキマグレで戻してくれる気になってくれれば戻れるの。忘れられたら……それまでよ。』
「………。」
『と、いうことで、か!な!り!屈辱的だけど。ここでお世話になってあげることにしたわ。よろしく。』
「……んだとぉぉぉぉぉ!」
アホロン毛の叫びが聞こえる。
§続く§