Parallel 「1」 week
□プロローグ
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見慣れない教室。
見慣れない顔ぶれ。
窓の枠に切り取られた青い空。
見慣れているのは教室を照らす太陽だけ……。
自己紹介を終え、席に着く。
周りの生徒たちは特に興味も無い顔で、黒板を眺める。
変わったようで、変わらない授業風景。
一時間目のホームルームはクラスメイトの自己紹介で潰れた。
すぐにざわつく教室内。
まとわりつく視線を睨み返す。
目障り、耳障り……この上ない。
関わって欲しくない。
関わりたくも無い……。
少女は夢を見ている。
夢を見ている事に気付きながら。
少女は溺れる。
誰もいない、優しい悪夢に。