妄想幻想水滸伝X

□露天欲情 〜その後〜
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結局ダインは、いわゆるお姫様だっこでユーリを部屋まで運んで来た。
風呂の中での激しい運動のおかげでユーリが湯当たりを起こし、
とても自力で歩ける状態ではなかったからだ。

風呂から部屋までの短い距離、ユーリはしきりに人目を気にした。
こんなの誰かに見られたら…と。
事の最中も彼女はそればかりを気にしていたな、と、ダインは思う。

「いいではありませんか、見られても」

ダインはしれっと言ってやったものだ。

「私の主が長風呂でのぼせてしまったので、と言えばいいだけです。
 …もっとしっかり捕まっていて下さい。いや、そうではなくて、私の首に腕を回して。
 その方が重さが分散されて楽だと、確かあなたが教えてくれたように記憶していますが?」



残念なことに――などと言うとまた、ユーリの「お怒り攻撃」が発動しそうだが――、帰り道では誰とも遭遇することもなく、部屋に着いてしまった。

ダインはユーリを大きな方のベッドに横たえさせると、ご丁寧にもきっちり着込んだ衣服を緩めて、窓を開けた。
備え付けの水差しからグラスに水を注ぎ、

「起きられますか?」

無理、と言ってくれれば飲ませてやる気満々で訊いたのだが、
ユーリは意地でも自力で飲みます、とばかりにむっくり起き上がり、
身体の欲するままにこくこくとあおり、勢い余って派手にむせた。

「そんなに慌てて飲むから。…おかわりは?」

欲しい、とのことだったので、もう一杯。今度はダインの注意を容れ、ゆっくりと。
グラスの半分も干さないうちに、使い果たしたといった風情で、ぱたん、とベッドに伏したユーリに苦笑する。
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