妄想幻想水滸伝X

□apple kisses
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『イサト殿とマティアス殿』
彼らの心情には近しいものを感じます。



常に感情よりも理性を優先させ、滅多に己を語ることをしないダインが、王子殿下に手紙を書いた。
冷静な武将の顔の下に隠した、己の主である女性への想いが、その一行に凝縮されていた。
その想いは当然、表題の男ふたりと共感し合えるものと、ダインは信じて疑っていなかったのだが――。





程なくして、スキンヘッドのエルフと、寡黙な美貌の騎士と語り合う機会に恵まれた。
だがしかし、それによって、彼らと己のスタンスに、180度ぐらいの違いがあることを思い知らされた。

彼らは己を理解できないだろう。
しかし、己も彼らを受け入れられない。とてつもないジレンマ。

考えて、考えて、考えて。
そこが風呂場であることも忘れる程に、考え抜いて。
結果、やはり解り合えない、という結論と共に、湯当たりというおまけまで付いてきた。
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