捏造幻想水滸伝X〜零〜

□マイ・フェア・レディ
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ラウルベル邸から戻ったユーリは、ヒルダを食堂に誘い、ふたりで遅い朝食を摂った。

「ごめんね、お腹減ったでしょう?」

「いや。正直、この時間なら、いつもだったらまだ寝てる」

別にユーリを気づかったわけでもなく答えたヒルダに、ユーリは言った。

「違いないわね。まず、生活を朝型に持ってくとこから始めないとだわね」



軽い朝食の後、コーヒーをお供に、ユーリはヒルダに大まかな計画を説明した。

「悪いけど、コレで勘弁してね。
 お茶の類は高級品なの。とてもとても、警備隊の食費で常備できるモンじゃないのよ」

ヒルダは、ミルクティーが好きだった。
それも、お茶にミルクを流すのではなく、
茶葉をミルクで煮出してシナモンをたっぷりと振りかけた、濃い目のチャイ・ティーが大のお気に入りだった。
しかしそれは、市井ではとんでもない贅沢品なのだとユーリは言う。



「今までは、1の女王様のご所望ならと、万難を排してお出ししてたんでしょうけどね。
 でも、これからは違うわ」

もっともブルームなら、ヒルダのどんな無茶な望みでも叶えようとするだろう。
しかし、それでは駄目なのだ。
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