捏造幻想水滸伝X〜零〜

□one for all
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草案段階でユーリが看破したように、
リザルト分をこっそりポケットに入れてしまうような輩はいなかった。
損得云々より、彼らの良心がそうさせているのだろう。

リザルト分の管理者がセティで、彼が何気なく目を光らせているというのも大きい。
若作りの優男のようでいて、彼にはそういう得体の知れない抜け目なさがある。
セティには、ダイン隊長も一目置いているようだった。

セティがきっちりとデータを取った後の、エルトの手並みもまた、見事だ。
2割増で頑張る、と、彼は公言したが、平均レートの1.4倍の率で、リザルトアイテムを換金してくる。
蛇の道は蛇、とユーリは称したが、一体エルトはどういうパイプを持っているのやら。

兵の勤怠報告はフィンが一手に引き受けている。
彼はいっそ神経質なまでにきっちりとしていて、そういう管理に打ってつけだった。



ダインの采配は、ことごとく中った。
流石に兵達に唯一無二と慕われている隊長のことだけはある。

彼はよく人を見ている。そして、部下達が動き易くあるようにと常に腐心している。
そんなダインにだからこそ、兵達は皆、心を寄せ、彼の期待に応えるべく率先して動く。
理想的な相乗効果だ。





そして、ユーリはというと――。
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