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03/20(Wed) 15:26
『アストリア』に寄せて
翡翠
『彼』は執筆当初、「シグルド」という名を与えられていました。
某手強いシミュレーションゲームで逃れられない非業の死を遂げることになる主人公の名です。
書きながら「あ、この名前ってWの海賊とダブんじゃね?」と気づき、慌てて改名。
今の形に落ち着いたという歴史を持った人物です。
その名を与えられた以上、彼はそういう運命を辿るしかなかった。
そういうテーゼを与えられていた、とはすなわち、そういうことです。
幻水原作では死守ルートのロイ殿で深く描かれたテーマですが、彼は宿星のひとりであり、王子殿下の影武者。
根本的に扱いが違います。
名も無い一兵の死。
それこそが『彼』の背負ったもの。
原作ではリオン殿の負傷やロイ殿の死で沈んだり喪に服したり(?)する描写があります。
しかし戦争真っ只中にそんな余裕があるでしょうか?
名も無き兵がひとり死んでも、いくさは続く。何も変わらない。
そんな非常なまでの現実を見せつける存在…それが『彼』です。
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