捏造幻想水滸伝X〜陸〜
□genesis 〜前編〜
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モンスター退治の任務がないと、警護員は即座に手持ち無沙汰になる。
エルト達は、今も今とて焚き火を囲んでいた。無駄口も叩き尽した感がある。
と、そこに、薄闇を切り裂くような一際大きな悲鳴。
そして、しばらくの後、赤ん坊と思しき産声。
「…やったな!」
警備隊員プラスアルファは。自分達が産んだわけでもないのに、思わず勝利のハイタッチ。
男達は凱旋の報告を待った。しかし、待てど暮らせどそれはなく。
「――何かヘンじゃね?」
エルトが言わなくても、誰もがそう思っていた。
しかし、窪地の奥に踏み込んで行ける勇気のある者はいない。
勇猛果敢な警備隊員は、敵の海になら飛び込む気骨に満ち溢れている。
しかし、女達の戦場に土足で乗り込む程、デリカシーのない輩ではないのだ。