捏造幻想水滸伝X〜陸〜

□genesis 〜前編〜
7ページ/10ページ

「やった…!?」

リンダは喜色を浮かべかけたが、はっと息を飲む。
産まれた子供の、声が無い。



「泣いて…泣いてちょうだい…!」

メリッサは祈るように呟き、取り上げた赤ん坊をチェックする。
産声が上がらないということは、呼吸をしていないということ。
このままでは子供に何らかの障害が…あるいはもう、障害があるから泣かないのか…?


そうこうしているうちに、第二弾のウェーブが始まってしまう。

「奥様…!」

リンダは救いを求めるようにメリッサを仰ぐ。
メリッサは取り上げた赤ん坊にかかり切りだ。


「泣いてちょうだい、お願いだから…!」


メリッサは自ら取り上げた赤子の鼻を吸った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ