昼下がりのティータイム
□劇場は今日も満員御礼
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大広間は軍師の溜まり場。
昼夜なく仕事に追われ、不夜城などという不名誉な別名を頂くその部屋で常と変わらず働いていたところ、城主がおずおずと姿を現した。
「おっ、トーマス。どうした?」
書類に埋もれていたシーザーが、ひょこっと顔を上げる。
「珍しいわね、何かあったかしら?」
「相変わらず細っこいな。ちゃんと食べているのか?」
アップルとルシアがそれぞれ可愛い城主にちょっかいを出す中、トーマスはしどろもどろに、
「いえ、あの…はい、ごはんはちゃんと食べてます。何かあったかっていうとそれはえっと、その…」
トーマスは、うつむけていた顔を上げると、うん、と、自身に気合を入れるようにひとつ大きく頷いて、
「あの…サロメさん」
「はい」
いつにない城主の気迫にとりあえずといった風に返事をしたサロメに、トーマスはこぼれ落ちそうな大きな琥珀の目を凛と輝かせて、言った。
「ユーリさんと、早く仲直りして下さい」