捏造幻想水滸伝X〜漆〜
□ツークツワンク 〜later〜
1ページ/8ページ
シェラヴィは、空気になっていたミアキスを伴い、小屋を出た。
乱稜山ペア登山にミアキスが同行することを、ユーリが頑として拒否した為、ミアキスをシンダル城まで送り届けなければならない。
「わたし、王子の護衛なんですよぉ?
そのわたしを置いてくって、どーゆう料簡ですかぁ!?」
「だからそれは、諸々の事情があって…」
「こんな時にお留守番なんて、わたし、リオンちゃんに顔向けできないですぅぅ」
「うん、じゃあ顔向けないで内緒にしてて」
「…ルクレティア殿にでも言いつけちゃおっかなぁ」
「ちょ…ミアキス!」
それは困る。ホントに困る。
何たってこの軍、軍主より軍師の方がエライのだ。
「王子、困っちゃってますぅ?」
「ああ、困ったも困った。ホント、困るよ。
僕とミアキスの仲じゃないか、内密に頼むよ絶対に」
「じゃあ、レツオウスイーツで手を打ちましょお!」
「…ヒトの足元見よってからに」
よりによって、レストランスイーツメニューの最高級品をたかるか、ミアキスよ…。
でもここだけの話、ルクレティアに知られるのはまずい。
シェラヴィがルクレティアにもらった『許可』は、「ユーリをサウロニクスに同行させること」であって、
シェラヴィがセーブルの軍事行動に参戦することではないのだからして。