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「わぁ、なんて木なんですか」
トラファルガーに手を引かれて歩くこと数十分、薄桃色の花が満開に咲き誇る木があった

「これはワノ国の桜だ
この垂れ下がっているのは垂れ桜、あっちのはソメイヨシノという種類だ
八重桜は開花時期が少しズレるから今日は蕾だな
この春島は桜で有名でな
先触れに出していたシャチからちょうど満開だと聞いてからお前と二人で見たかった」







本当にすっごい!
風が吹けば桜の花びらが舞う
足元も見事な桃色のカーペットができている
さっきまでは、なんで一緒に島を歩かなければいけないんだなんてむくれていたがついてきて良かった



トラファルガーの横顔を下から盗み見た
顔色は悪くてくまも酷いのだが精悍な顔つきで体は細見なのだが意外にガッシリと筋肉がついていて日焼けもしている

・・・さぞや女性にモテるだろう
海賊の中でも、一般人含めてもなかなかトラファルガー並みに顔が整っている人間もそういない
くさってもルーキー、賞金額も中々いい値段のこの男に抱かれたらステータスとして誇れる
娼婦なんかは飛び付くだろうなーなんてボーッと考えていた
もはやそれは盗み見なんてものではなく、穴が開くほど睨み付けていればそれに気がついたトラファルガーと目が合ってしまった



桜じゃなく俺に見惚れたか?という、からかい交じりの問いかけに
「トラファルガーって本当、きれいな顔してますね」
と返せば驚いた表情で口元を手で覆い隠した
じわじわと頬や耳がほんのり赤く色づく彼は桜の咲き誇るなかとても赤く赤く際立っていた


しばらくすると誤魔化すように今後の予定を話始めた彼の耳の色は当分ひかなそうだ

静かに淡々と今日の夜の宴の話やら、シャチの失敗談やら彼らの故郷の島の話を聞いた









彼が淡々と発する、静かに響く声が聞いていて嫌ではないと気がついた




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