short

□うぬぼれるかれのせりふ
2ページ/6ページ


1.見てただろ、俺のこと




私は姫。大型ルーキーである懸賞金2億ベリーのトラファルガー・ロー船長率いるハートの海賊団剣士です。
海賊狩りのロロノアにライバル心を燃やして旅に出たところ、我らがロー船長に…ほ、惚れてしまい仲間にしていただきました。しかしロロノアへのライバル心はやはり健在で日々切磋琢磨している次第でございます。




そんな私は今日も鍛練に励み、仕事に励み、鍛練に励んでおります。だってロロノアったらどんどん懸賞金上がっていくんだもん!負けてられない!
甲板で白くまのベポと一緒に鍛練の合間の昼寝をしていたところキャスケット先輩に起こされました。
「姫、船長が呼んでたぜ」


ニヤニヤとしているキャスケット先輩は私が船長のことを好きなことを知っている訳でして、協力してくれようといつも頑張ってくださっています。
そんな先輩には申し訳ないことに私は船長と話をするのも手一杯な状況。
話かけられればパニック。何を言っているのか分からなくなってしまうくらいパニックになってしまいます。情けない…。

「ほら、さっさと行ってこい」


しっし、と追い払われて向かうは船長の部屋
とんとんとノックをするが返事はかえってこず
「船長、失礼します」

思い切ってドアをあけてみるとソファに座った体勢のまま寝ている船長がいた
手元には難しそうな医学書が1冊、相変わらずくまは酷い
大方また寝ずに読んでいたのだろうそれをテーブルに置き側のベッドから毛布を持ってきてかけておく
医者の不養生とはなんとやら、我らが船長は無理をしすぎなのだと常に思う


「寝ていれば、平気なのになぁ」

起きて話しをするとなるとどうしてこんなにも難しいのだろう
こんなに近くに寄るにも緊張してしまい近寄れない
寝ている船長を覗きこめば

「この人はなんでこんなに綺麗なんだろう」



切れ長な瞳は今は閉じられており、鼻筋は通っている
ヒゲすらも色気がありよくできた人形のような人間
男性ながら傷もなく傷んでいない肌に赤い唇は映えていて
しかし男性らしさは失われてはおらず、むしろ精悍な顔つきだ
なんて綺麗なんだろう、時間も忘れいつまでも見ていたくなってしまう

ふと違和感
あれ、こんなに近寄って見ていただろうか
口には暖かい感触…
気付かぬ間に腕をひかれて、倒れこむような体勢で



「…………んっ!」



離されるそれ





「オマケだ」

可愛らしいリップ音を響かせ今度は頬に1つ






「なっ、なっ、なっ」


何が起こったの、今何をしているの
私は船長の膝の上に横抱きにされるような体勢で、頬と口が熱くて顔が急激に熱を持っていく

「(〜…!近すぎる〜…!)」





「姫見すぎだ、顔に穴があくかと思ったぜ」
「…起きてたんですか!……み、見てませんよ!」











見てただろ、俺のこと





「嘘をつくな」
「嘘じゃないです!」
くくくっ
「笑わないでください…!」
「なぁ、姫早く気付けよ?」
「え…?」
「(俺の気持ちに)」






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ