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□矛盾
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エースが捕まったと聞いたときは簡単に言えば目の前が真っ暗になった。捕まるはずがない、だってあの火拳のエースがだよ?白ひげ2番隊の隊長様だよ?












「この命が惜しい…!」




あなたのその言葉、涙を見て死なせたくないと純粋に思った。でも私は私の背に誓ったんだ。あなたが海賊であろうとも正義を貫くということを。
あなたを助ければ少将という地位を失う。でも助けたい。私には私の正義がある。正義のために強くなろうとした。誓ったもののために、あなたを助けることはしない。築き上げたものも大切だ。でも死んでほしくない。
そんなことを延々と考えた私をあなたは馬鹿だなと笑うんでしょうね。それとも薄情だと言いますか。
自分可愛さのために動けない私はどうしたらいいのだろうか。でも私は私の正義に誓ったんだ。このコートに。
だからここにいる。あなたの最期を見届けなければならない。
センゴクさんはきっと私の気持ちに感付いているのかな。だからこそ戦場にたたせるのではなくここに呼んだのだろうか。元帥流石だなぁ、本当に喰えない人だ。



処刑までもう時間がないのに未だにどうすることもせず、腹も括れないけれど。助けることはできないけれど貴方はまだ死ぬべきじゃない。白ひげに望みをかけるも、白ひげを討ち取りたい私は矛盾だらけの人間で。



でもこれだけは真実なんです。










「…お前はいつも無茶ばかりする……」









あなたの手錠がはずれた瞬間、海賊だとか正義だとかそんなものは忘れて純粋に嬉しかった。
矛盾。そんな私をあなたは笑うんでしょうね。





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