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□ヘルプミーヘルプミー
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女は姫と名乗った
研究者ではない、ただの趣味なのだとふわりと微笑んだ
趣味で読むには専門的な論文が多いのだが、確かに初歩的な本を読む姿も見かけていた
節操なしというやつだな
存外にこの女との会話はクロロにとって楽しいものだった
今まで考えつかなかったことを、この女と会話をしていると考えつく
ジャポン人自体の考え方が独特で、この島国には完結した世界があった
同時に理解できない生物を相手しているような気分だ
そのことを伝えると彼女は静かに落とすような笑みを浮かべた
「ジャポンは平和
法治国家で、ほとんどの場合は国民は法律の前には平等
教育制度も整っているから、義務教育である程度の知識は身につけられるし図書館設備も整っているからどこにいても無料で本が読める
スラム街もないし
ジャポンに住んでいる以上は働けなくなっても税金で食べていける
老後も年金貰えて、保険医療も低額で受けられる
子供の親が死ねば養護施設にいくし
捨て子なんて絶対に誰かが気が付く
娯楽に溢れていて、遊ぶという意味でもいつまでも遊ぶものがある
犯罪発生率なんて低いし
犯罪がおこってもすぐに捕まる
戦争は放棄しているから起こらない、内戦も
侵略も容易に受ける立場にない
自然にあふれていて、経済も活発
自然災害の対策も進んでいる
五体満足に生まれて、今まで飢えることもなく生きてきた
明日死ぬかもしれないなんて考えたこともない
死はジャポン人にとって身近な問題でもない
食べるものがあって、寝るところがあるのが当たり前で勉強も好きなだけ出来る
私たちは平和で幸せなんだよ」
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