short

□ベッドの上には
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少し話がそれたが、結局は現実逃避か憧れか、はたまたそういった願望を満たす娯楽として物語を読む

書いている小説家も生活がある
娯楽小説は売れなければ意味がないしな


読者の願望と小説家の生業としての性が一致した結果というところではないか

需要と供給の
バランスは意図的にコントロールせずともマッチする最適なところで安定する
神の見えざる手が機能した結果が定番ということだろう









だが、これは俺の考察だ
お前には参考になるか分からない」




未だに視線は手元の小さい文庫本へ向ける彼女は生粋の現実主義者なんだろう


日常の片隅には、一般的に現実だと思えないような世界が転がっていることがまれにある


俺を知って、その世界が身近にあると気づいた時に彼女はどんな反応を示すだろうか

胸中に沸き上がる形容しがたい感情を喉の奥で噛み砕き、今日も何も知らない彼女と日常を送る



(彼女がクロロの正体に気がつくまで、あと少し)





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