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□人形姫
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ヒレを足に。
人魚姫は地上に向かいます。

愛しい人間にあいに。


足は歩くたびに激痛がはしります。
魔女の薬は完璧ではなかったのです。

ヒレを足に
エラを肺に

しかしヒレは形を変えても完璧な足にはならなかったのです。
地上を歩くにはヒレには負担が大きかったのです。
それは見た目にも現れます

最初は美しかった足も
歩くたびに傷がつき皮膚が裂け
人間の血ではない、人魚の血が吹き出しています




しばらくすると人魚姫は歩けなくなりました。
動けないのでは愛しい人間に会えません。
このような醜い足をしていては愛しい人間に会えません。
悲しんだ人間姫は泣きました。泣いては眠り、泣いては眠り。

三日間泣いて過ごしました。
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