text...Geass?

□Can I escape,,,?
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私は今、
シュナイゼルの執務室の扉の前に立っている。
エリア11に行きたいと、打ち明けるため。
・・・此処からはもう、
   私の逃亡劇のハジマリなのだ。

コンコン――。
返事は、ない。
だけど・・・。
考えてから、ドアノブをまわす。
たぶん、彼は怒らない。
その優しい心を、私は少し知りすぎた。

ソフィアが提案した、「逃亡劇」。
それは、私と婚約者であるシュナイゼルとの
決別でさえも 暗示している。
彼は、婚約者としては申し分ない。
地位、性格、外見・・・。
どこを取ってみても、完璧なのだ。
初めは彼と並んで歩くのすら
抵抗があった。
完璧すぎる彼に、私はつりあわない。
でも、彼の笑顔や何気ない気遣いは、
間違いなく私の心に
微かな恋心というものを抱かせた。
やがて、彼が私にだけ見せる表情、
なんかもわかってくると、
もうその感情は無視できなくなっていた。

それは、わかっている。

でも・・・。
退屈な人生をこのまま送るのも嫌だった。
あの皇帝の下で、
第二皇子の妃というお飾りとして
生きていくなど・・・。
考えたくもなかった。
手に入れたこの力・・・。
守るにはこれしかないのだと、

それも、わかっている。

私は覚悟を決めて、
矛盾をおさえこみ、
罪悪感も呑み込み、
そっと扉を開いた。
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