text...Geass?

□The Encounter
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私がコノ世界にやってきて早1週間。
どうにか自分を抑えて生きている。
つい、癖で前の世界のことを
喋りそうになるが、そこはなんとか・・・。

で、今は、逃げている。
なにからかというと、
あのこわーい教育係だ。
毎日がんばってきたものの、
もうそろそろ限界というわけで。
レッツ・サボタージュっ!
と思ったのだが・・・。
ばれちゃったんですなぁ。

「チェルス様ぁーーーっ(怒」
「ちょ、追ってこないでぇっ!」
「追いかけますとも。
 あなたがサボるなら
 世界の果てまでっ!」

状況は把握していただけただろうか。
まぁ、こんなかんじなのだ。

「私は、サボる、全力でっ!」
「なら私は、追いかけます、全力で。」
「プレル・・・ごめんっ!」

私はそばにあった椅子を投げる。
プレルの悲鳴がだんだん遠くなることを
確認し、立ち止まった。
すると、見覚えのある二人が現れる。

「チェルス?
 どうかしたのかい?」
「あ・・・。」

シュナイゼル皇子とその側近、カノン伯だ。
彼はどうにも私のことが大好きらしく、
1日に1度は顔を見せる。
よほどの暇人だと思っていたが、
実はかなりのキレ者で、
私の大得意なチェスでも勝てたのは数回だ。
もちろん、帝国内ではかなりの権力者。
そんな彼が婚約者なのに、
どうしてチェルス(前)は逃げたのだろう?
知れば知るほど謎が深まっていく。

「チェルス様・・・?」
黙ってしまった私を睨むように
カノンが私の名を呼ぶ。
どうやら彼には嫌われているようなのだ。
しかも、原因不明。
まぁ、私もこの男は苦手だから
ちょうどいいといえばちょうどいい。

「私、サボタージュというのを
 やってみようと思っていたのです。」
「サボタージュ・・・?」
「えぇ。やらなければいけないことを
 やらないことです。」
「・・・????」

理解が追いつかないらしい二人は
困ったような顔をしている。
皇族はこの素晴らしきサボタージュ精神が
理解できないのだろうか。
だとしたら、私とは絶対に分かり合えないな。
そんなことを考えていたら、
なんとまぁ、プレルが来てしまった。

「チェルスさまっ!」
「あ・・・・・・。」
「もう逃がしませんよ。」
「君、状況を説明してくれないか。
 チェルス様の言葉では分からないのだ。」
カノン伯がイラだたしく言う。
プレルは早口で説明すると、
二人はようやく理解したようだった。

「チェルス、やらなければならないことは
 やらなければならないんだ。
 絶対に、ね。
 君は賢いから、わかるだろう?」
「そうですよ、チェルス様。
 いくら嫌だからといっても、
 逃げるのは皇族らしくありません。」
二人はまるで、へそを曲げた子供をあやすように
私をたしなめる。
私は彼らにとって、そんなに幼い存在なのだろうか。
それに・・・。
皇族、皇族と、何度も強調される。
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