セクシー山賊と犬の王

□調教編
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当初、ロレンツォはまだ男の姿であった。まだ床にも這わなかった。

その日、ハルキは広場に立ち、男衆に呼びかけた。

「今日より皆につかえる婢女のロレンツォじゃ。見てのとおり、いまだ愛想がない。だれぞ、この小生意気な召使女に、身の程をおしえてくれる者はおらぬか」

ロレンツォは、大理石の像のように冷かに佇立していた。

首輪ひとつの全裸で町に立っている。首輪には二本の鎖がつき、それぞれ山賊が握っていた。
すぐ目の前に、物見高い町の男たちがいる。

男たちは堂々たる裸に目をまるくし、うめいた。

半神アキレスの像が立つようであった。鋼板のような雄偉な胸。力強く割れた腹、大地を踏みつける長く逞しい足。

(ご一物は)

群れのうしろの者たちは伸び上がって、ペニスを見ようとする。

それは頑丈な腰に、ゆたかに実っていた。両の睾丸の前にまっすぐ垂れ、鉄を含むように重たげである。

男たちはため息をついた。
しかし、さすがに近寄って触れようとする者はない。

「遠慮することはないぞ」

ハルキは陽気に言った。

「あとで兵隊がきて、請求書を突き出すようなことはせん。諸君のかかあに告げ口もせん。伽にはもちろん、飯炊きにでも、濯ぎものにでも、好きに使うてくれてよい。もっとも、明日からは別の場所に奉仕に行くかもしれぬがの」

しかし、男たちはへらへら笑うばかりで近づいてこない。

やがて、ひとりの厚かましそうな小男がおそるおそる前に出た。

「触れてもようございましょうか」

「むろんじゃ」

ロレンツォは傲然と身動きしない。
しかし、小男がそろそろと短い指を指しのばすと、

「寄るでない」

と低く言った。
小男がたじろいで手を引っ込める。

かまわぬ、とハルキが勇気づけた。

「みなの女中じゃ。遠慮のう揉んでみよ」

小男はまわりの者たちと目混ぜしてニヤニヤ笑い、ふたたび前に出た。

「寄るな。下郎」

ロレンツォは目もくれず、冷たく言った。

「寄らばその手が落ちよう」

しかし、小男は今度は脅しにのらず、その汗ばんだ手を胸に伸ばした。




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