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□俺だけの
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「じゃじゃーん!!!ほら見てゆうたん!要っちのお宝ショット!」
いつもよりも数段無駄に高いテンションで携帯を突きつけてくる千鶴。
何が写っているのかと目を向けてみると、そこにあったのはどうやら着替え中であろう半裸な要の姿だった。
……うん。
これは俺に一体どんな反応を期待しているんだろうか…。
「何だよつまんないなぁノーリアクションー?」
「いやだって…これ見て俺にどうしろと。ていうか千鶴これそろそろ犯罪だよ」
「お、男同士だから大丈夫だもんね!!」
軽く毒を突きつけてみれば、千鶴は少し焦った様子になりよく分からない言い訳をする。
軽い冗談に決まってるのにさ、流石としか云えませんよねこの単純さは。
と、それよりも気になるのはこの行動の真意。
要の着替え…別に今まで何度も見てるしなぁ、何の衝撃も無いけど。
「で、それ何?俺に何を求めてるんですか貴方は」
「よくぞ聞いた!あのね、このお宝ショットあげるからゆっきーを自宅で隠し撮りして欲しいなと!!」
……はい?
「いやー学校とかではいくつか撮ったんだけどさ、やっぱりゆうたんにしか見せない一面とかあるじゃない?そういうのとか俺じゃ無理だから片割れとしてゆうたんに頼みたいなぁ……
……ってゆうたんちょい待ち!思いっきり話し中!」
全くもって訳の分からない事をべらべらと語る千鶴を無視して教室に戻ろうとすると、ガッシと腕を掴まれ引き止められる。
うーん。
正直これ以上付き合っていたくないんだけどな…
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